ブラジルで現在開催中のリオデジャネイロ五輪。
現地時間8月14日に行われた陸上男子100メートル決勝にて、
人類最速の男ウサイン・ボルト選手が9秒81で優勝。
本人が最後と位置付けるリオ五輪で3連覇を果たしました。
そんなボルト選手が抱えていた陸上選手として致命的な欠点とは?
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人類最速の男 歓喜の瞬間
現地時間8月14日、この日前人未到の100メートルに
挑んだウサイン・ボルト選手。
先行するアメリカのジャスティン・ガトリン選手を
後半で一気に抜き去り先頭でフィニッシュラインを走り抜けました。
ゴール手前では勝利を確信し、胸を叩いてアピール。
フィニッシュタイムは9秒81。
これまでの五輪と比較すると最も遅い記録ではありますが、
誰よりも先にフィニッシュを決めたことに変わりありません。
「とても価値のある勝利だ。この日のために
今まですべてをささげてきた。自分自身を誇りに思う」
観客達からの割れんばかりの拍手に包まれながら、
安堵の笑みを浮かべウイニングランをするボルト選手。
北京から8年、「伝説になりたい」と願い続けた
ボルト選手の夢が叶った瞬間でした。
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致命的な障害を抱えていたボルト
ウサイン・ボルト選手は陸上選手としては致命的な
障害を生まれながらに抱えていました。
それは脊柱側湾症。
背骨が著しく湾曲してしまう障害で、後天的に発症する
場合もありますが、ボルト選手の場合は先天的なもの。
その背骨はS字状に大きく曲がっていました。
100メートルはスタート時、瞬間的に巨大な圧力を
背中に受けます。
その圧力に耐えつつ上体を前傾に保ち、速やかに
加速していかなくてはならない競技である100メートル。
背骨が大きく曲がっていることによって加速への動きが
鈍るため、ボルト選手にとって生まれ持った脊柱側湾症は
陸上を続ける上で大き過ぎるハンデだったのです。
走りを支える骨盤が背骨の代わりに体を支えようと
激しく動いた結果、アキレス腱の損傷や
ハムストリングス痛などボルト選手の体に
影響を及ぼしました。
しかし、ボルト選手はこの障害が発覚してなお
走ることを諦めませんでした。
骨盤の揺れによる影響を少しでも減らそうと
体幹の筋肉を徹底的に鍛え上げる道を選択し、
過酷なトレーニングにも耐え抜きました。
そして手に入れたのは爆発的な「蹴り上げる力」。
ウサイン・ボルトの走りを支え続ける唯一無二の武器を
手に、今回3連覇を見事果たしたのです。
自分の体の欠陥を憎むことなく、自らの体を
与えてくれた神に感謝し走り続けるボルト選手。
現地時間16日の200メートルでも素晴らしい走りを
見せてくれることでしょう!
ウサイン・ボルトの主な戦績
2004年 | アテネ五輪 | 200m(21秒05) 1次予選敗退 |
2005年 | 世界選手権(ヘルシンキ) | 200m(26秒27) 8位 |
2007年 | 世界選手権(大阪) | 200m(19秒91) 2位 4×100mリレー 2位 |
2008年 | 北京五輪 | 100m(9秒69) 優勝 200m(19秒30世界新記録) 優勝 4×100mリレー 優勝 |
2009年 | 世界選手権(ベルリン) | 100m(9秒58世界新記録) 優勝 200m(19秒19世界新記録) 優勝 4×100mリレー 優勝 |
2011年 | 世界選手権(テグ) | 100m フライングのため失格 200m(19秒40) 優勝 4×100mリレー 優勝 |
2012年 | ロンドン五輪 | 100m(9秒63) 優勝 200m(19秒32) 優勝 4×100mリレー 優勝 |
2013年 | 世界選手権(モスクワ) | 100m(9秒77) 優勝 200m(19秒66) 優勝 4×100mリレー 優勝 |
2015年 | 世界選手権(北京) | 100m(9秒79) 200m(19秒55) 4×100mリレー 優勝 |
2016年 | リオデジャネイロ五輪 | 100m(9秒81) 優勝 |