9月11日、北九州市で特定外来生物に
指定されている「ツマアカスズメバチ」の
巣が発見されました。
ツマアカスズメバチは生息範囲を
広げるのが早く、ミツバチなどを
食べてしまうため生態系に悪影響を
及ぼす危険性を持っています。
ツマアカスズメバチが増えることによる
被害予想などをまとめてみました。
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ツマアカスズメバチとは
1836年に発見されたツマアカスズメバチ。
原産地はインドネシアのジャワ島で、
日本以外のアジア全域に分布しています。
体長は働き蜂で平均20mm程度、
女王蜂では最大30mm程度と、日本に
生息するスズメバチの平均サイズと
孫食ありません。
他のスズメバチ同様肉食であり、
ハエやトンボ、ミツバチを好んで食べます。
また、攻撃性が非常に高く、一度敵と
定めた相手に対しては執拗に攻撃を
繰り返す危険なスズメバチです。
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驚異的な増加スピード
ツマアカスズメバチの最大の脅威は、生息圏を
あっという間に拡大してしまうところ。
2005年初期にはヨーロッパで見られる程度だった
ツマアカスズメバチは、わずか5年後の2010年には
フランスを超え、スペイン北部へ進出。
更に2012年にはポルトガルやドイツまで進出しています。
この異常なスピードでの進出には多々理由が考えられ、
陸続きで移動が容易だったこと、貿易が盛んで荷物に
紛れ込むことが容易だったこと、その地域に生息していた
ミツバチが抵抗力の弱い種族だったことなどが
挙げられています。
アジアでの被害
アジアにおいては2003年に釜山で発見されて以来、
韓国での被害が拡大し続けていました。
中にはすでに在来種のスズメバチよりも
ツマアカスズメバチの数が上回り、
生態系を崩されてしまった地域も。
また、その凶暴性から人的被害も多数
出ているようです。
日本での被害状況
今回北九州市で巣が発見されるよりも前に、
2012年より対馬ではツマアカスズメバチの
侵入が確認され、その被害に頭を悩ませています。
ニホンミツバチを使った日本古来の養蜂業が
盛んな対馬にとって、そのミツバチを食べてしまう
ツマアカスズメバチの侵入は死活問題。
さらには対馬には大型のスズメバチは存在せず、
外来種のツマアカスズメバチが容易に
虫たちの生態系の頂点に立ててしまいます。
このスズメバチはミツバチの巣に侵入するのでは
なく、巣に戻ってくるミツバチを待ち伏せして
1匹ずつ狙います。
そのため、ミツバチが得意とする蜂の巣に群がり
体温を上昇させて蒸して撃退する「蜂球」という
対策が使えないのです。
今後予想される被害
ミツバチが壊滅的な被害を受ければ、
蜂による受粉を利用した農作物系は
多大な被害を受けることになります。
かぼちゃやナス、キュウリ、苺やスイカなどの
野菜やフルーツが主に打撃を受けると予想されます。
また非常に凶暴なツマアカスズメバチが
都市部に住みつけば、人的被害も
免れません。
ツマアカスズメバチは10メートルを超える
高い樹木に巣を作る習性があるため、
高層マンションなどにも容易に巣を
作ってしまいます。
凶暴な外来種が日本に住みつかないように
するには、発見したらすぐに駆除することが第一。
もし巣を見つけたらすぐに地域の役所など、
しかるべき機関に連絡をし、ツマアカスズメバチの
脅威が日本を襲う前に対処しましょう。