24日に両国国技館で行われた、大相撲初場所千秋楽において、大関・琴奨菊が14勝1敗で初優勝を飾りました。日本出身力士が賜杯抱いたのは2006年の栃東(元玉ノ井親方)以来10年ぶり、大関としても26場所での悲願の初優勝の影には、新妻・祐未夫人との二人三脚がありました。
一度は引退も考えたという大関・琴奨菊、大一番の様子と遅咲きともささやかれた、大活躍劇の裏側に迫ります。
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大関・琴奨菊 千秋楽大一番
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24日の両国国技館で行われた、大相撲初場所千秋楽。
琴奨菊と豪栄道のこの対戦を待ちわびた会場のボルテージは最高潮。気迫がぶつかり合う大一番を制したのは大関・琴奨菊。豪栄道とはケンカ四つで差し手を違えるも、左からねじ込み立ち合いを差し勝つと、右で抱えた得意のがぶり寄り。土俵際での右突き落としで大関・琴奨菊が豪栄道をくだすと大歓声と拍手が怒号のように鳴り響きました。
千秋楽の取り組み結果
○日馬富士 | ●鶴竜 | ○琴奨菊 | ○栃煌山 | ●栃ノ心 | ○勢 | ○碧山 | ●宝富士 | ●逸ノ城 | ○旭秀鵬 | ●貴ノ岩 | ●北太樹 | ○徳勝龍 | ●豊響 | ○輝 | ○妙義龍 | ○佐田の海 | ○正代 | ○千代鳳 | 東 |
上手投げ | 寄り切り | 突き落とし | 突き出し | 寄り切り | 押し出し | 寄り切り | 押し出し | 寄り切り | 押し出し | 突き落とし | 寄り倒し | 引き落とし | 突き落とし | 突き落とし | はたき込み | 寄り切り | 寄り切り | 押し出し | 決まり手 |
●白鵬 | ○稀勢の里 | ●豪栄道 | ●豊ノ島 | ○嘉風 | ●安美錦 | ●松鳳山 | ○高安 | ○魁聖 | ●御嶽海 | ○琴勇輝 | ○蒼国来 | ●阿夢露 | ○隠岐の海 | ●玉鷲 | ●誉富士 | ●千代大龍 | ●臥牙丸 | ●豪風 | 西 |
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大関・琴奨菊 悲願の優勝までの道のり
新大関の11年26場所目での初優勝は、昭和以降の相撲歴史上、最も遅い初優勝です。昇進場所当初は9連勝をあげるなど、大きな期待をよせましたが、12年の秋場所では左膝じん帯損傷し、13年九州場所でも右大胸筋断裂など大ケガが相次ぎ、ライバルである稀勢の里が注目されはじめ、ファン気持ちは離れていきます。
転機は名古屋場所でおきます。15年7月、5度目のカド番で迎えた12日目で5勝7敗。度重なるケガで稽古もままならず、思うように結果が出ない日々が続いていました。そのころ大関・琴奨菊は「相撲をやめよう」と一度は引退を考えていたと話します。しかし、そんな苦境でも踏ん張れたのは祐未夫人の存在があってこそ。「今は孤独な闘いじゃない。一緒に闘ってくれる人がいる」愛する妻に悲しい思いをさせたくないその一心で大関・琴奨菊は、勝ちに徹する相撲に専念します。
7勝7敗の千秋楽、琴奨菊は新大関の照ノ富士に勝ち大関残留を決めると、体幹と下半身のトレーニングに、メンタルトレーニングも加え、祐未夫人の栄養バランスの考え抜かれた食事に支えられ、26場所での悲願の初優勝を勝ち取ります。
今月30日の自信の誕生日と二人三脚でともに歩んだ祐未夫人との結婚披露宴へ最高の花を添えました。
「15日間、自分の相撲を取り切れば結果が出ることが分かった。また優勝を目指して、一つ上の地位もある。頑張りたい。」
どんなときも支えてくれる最愛のパートナーと、これからも力強く日本相撲界を盛り上げていってくれるかと思うと頼もしいかぎりですね。