日本が海外に誇れる文化でもある漫画。
その文化の向上と認知に大きな貢献をされた
手塚治虫先生の名を冠した文化賞が毎年選出されていることを
ご存知でしょうか?
朝日新聞社が1997年に創設したこの賞は今年で20回目を迎え、
4月27日に今年の大賞が発表されました。
今年は異例のW受賞。
どんな作品が選ばれたのでしょうか?
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第20回手塚治虫文化賞
大賞
「鼻紙写楽」 一ノ関 圭
http://www.asahi.com/
老中田沼意次の失脚から寛政の改革へ移る時代を背景に、
上方の実在の絵師如圭を後の写楽と位置づけ、
五代目市川団十郎とその娘、息子らが絡む濃密なドラマを
描いた作品。
2001年から2009年まで描き続けていましたが、掲載誌の休刊で
やむなく中断。
その後描き下ろしを加えて昨年出した単行本は
「四半世紀ぶりの新刊」と話題になりました。
作者である一ノ関さんは
「いま続きを描いているが、写楽がどのように出現しなぜ突然消えたのか、
その謎に到達するまではまだまだ。キーパーソンはもう出してあるんですけど。
受賞は、しっかり終わらせないといけないよ、というエールと受け止めます」
と、作品執筆への意欲を高めていました。
「よつばと!」 あずまきよひこ
http://www.asahi.com/
2003年から「月刊コミック電撃大王」(KADOKAWA)連載中の
「よつばと!」。
ある町に「とーちゃん」とともに引っ越してきた
5歳の元気な女の子「よつば」の日常を丁寧に描く作品です。
作品に登場する「ダンボー」は商品展開も多くされていますので、
よつばと!を知らなくてもダンボーは知っているという方も
いるのではないでしょうか?
「受賞を聞いて『やったぜ!』というより『どうしよう?』。
自分が『マンガ』というバトンを持って走っているランナーだとしたら、
手塚先生は第1走者。特別な存在です」
手塚先生へ尊敬の念を抱いているあずまさん。
お2人とも大賞受賞おめでとうございます!
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新生賞
安藤ゆき
主人公のユニークな造形が光る「町田くんの世界」の清新な表現に対して
新生賞が贈られた安藤さん。
「『町田くんの世界』を描き始めたことによって、
今まで以上に人とのつながりや、人に支えてもらっていることを実感しています」
短編賞
じみへん 中崎タツヤ
四半世紀にわたった連載で築き上げた唯一無二の笑いの世界に対して
短編賞を受賞された中崎さん。
「認められて喜ぶ自分がいる。
それを見てバカじゃねーのと思う自分がいて。面倒くさい。
というのが、賞に対する気持ちの説明としてしっくりくる」
特別賞
京都国際マンガミュージアム
10年にわたり博物館と図書館の両面からマンガ文化に貢献した活動に対して
表彰された京都国際マンガミュージアム。
展示の企画や研究を行う博物館機能と、図書館機能を持つ本館では
蔵書30万冊のうち5万冊が総延長200メートルの書棚「マンガの壁」が自慢のひとつ。
また、芝生の上で漫画を読むこともできます。
昨年の来館者は約30万人、うち外国人は過去最高の5万人弱と、
海外へのマンガ文化発信の地としても大いに貢献しています。
今年の受賞マンガも面白いものばかり。
ぜひ一度読んでみてくださいね。