理化学研究所のチームが発見し、日本初の命名権を獲得した
原子番号113番の新元素の名称案が6月9日、
国際純正・応用化学連合から公表されることに。
元素周期表にアジアの国としては初めて、日本発の元素が加わる快挙です!
現在は日本語に基づく「ニホニウム」の可能性が高いとされていますが
一体どうなるのでしょうか?
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日本が発見した113番元素
http://www.nishina.riken.jp
今回発見された113番元素は、実に10年近い年月をかけて発見されたもの。
113番元素の合成の原理は、亜鉛(Zn)の原子核とビスマス(Bi)の原子核を衝突させ、
融合させることで30 + 83 = 113番元素が出来上がります。
言葉にすれば簡単なようですが、実際には原子核の大きさが1兆分の1cmと
余りにも小さくほとんど衝突しないこと、また、たとえ衝突したとしても
融合する確率が100兆分の1と非常に小さいためなかなか成功しませんでした。
原子核が1兆分の1cmですから狙って衝突させることは不可能。
そのため、大量の亜鉛原子核をビームにしてビスマスに当て続けたそうです。
また、その寿命も約1000分の2秒と短く、瞬く間に他の元素へと壊変してしまうため、
一例だけでは確証が得られません。
2003年9月に実験を開始して、113番元素が確認されたのは2004年7月23日、
2005年4月2日、そしてさらに時を経た2012年8月12日の3回。
そしてその3回目で、融合した元素が確かに113番目の元素であることが
確認されました。
発見された新元素は現在のところ、人々の生活に直接かかわることはないようです。
しかし、世界の構成要素である元素の新発見は未来の科学、そして科学技術と社会の発展に
大きな貢献をすることは間違いないと言われています。
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名前は「ニホニウム」?
113番元素の名称案は9日午前0時に国際純正・応用化学連合から公表されます。
これまでは日本の国名にちなんだ「ジャポニウム」が有力とされていましたが、
発表が近づくにつれて日本語に基づく「ニホニウム」の可能性が高いとの
見方が浮上してきました。
新元素の名称は国や地域、科学者などの名前にちなんだもの、
そして語尾に「イウム」を付けるのが国際規則。
チームを統括する森田浩介グループディレクターは
「日本で発見されたことが分かるようにしたい」としているため、
国名にちなむ名称になるとみられています。
また、過去に使用した元素名は使えない規則があるので、元東北大総長の
小川正孝博士が明治41年に新元素として命名し、後に別の元素と判明して
周期表から削除されたニッポニウムは使えません。
名称案は発表された後、一般からの意見を5カ月間募集。
目立った反対意見がなければ年内に正式決定し、周期表に記載されます。
アジアの国としては初の発見した元素が元素周期表に加わるという
快挙を成し遂げた日本。
続いては119番、120番元素の発見に努めていくそうです。
これからも世界の科学の発展のため、様々な検証が行われていきます。