和歌山県紀の川市にある、
貴志川線の貴志駅で駅長を務め、
人気を集めた「たま駅長」。
急性心不全のため
6月22日午後7時10分、
県内の動物病院で
息を引き取りました。
人間の約80歳に当たる、16歳の大往生でした。
その愛くるしい姿は、
国内だけではなく
海外でも人気で、
多くの観光客が
「たま駅長」を見に訪れました。
「たま駅長」の功績を振り返りましょう。
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「たま駅長」は赤字ローカル線の救世主!
「たま」は貴志駅前の商店が飼っていた三毛猫。
1999年に生まれ、
駅の利用者に親しまれていました。
貴志川線が南海電気鉄道から
和歌山電鐵へ運営を引き継がれたのが2006年。
これを機に2007年、
和歌山電鐵の小嶋光信社長が
「たま」を貴志駅の駅長に就任しました。
その主な業務は「客招き」。
任期はなく終身雇用で、
報酬は年俸としてのキャットフード1年分!
ネコが駅長に就任したというニュースは
たちまち世間で話題になり、
廃線も危ぶまれた赤字ローカル線は
一躍人気のスポットに!
「たま駅長」を一目見ようと、
貴志駅に観光客が訪れるようになり、
貴志川線の利用者の増加に貢献しました。
このような功績が認められ、
2008年には「スーパー駅長」に、
2013年には「社長代理」に就任、
2014年からは全駅の駅長を統括する
「ウルトラ駅長」になりました。
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2009年には「たま電車」が運行開始。
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2010年には貴志駅がネコの顔のように
デザインされた駅舎に建て替えられました。
写真集など、グッズの売上でも貢献し、
「たま駅長」の人気に拍車がかかりました。
今年の4月に同駅で開かれた
16歳の誕生日会には、
約300人のファンが集結。
たま駅長も「にゃあ、にゃあ」と
ご機嫌の様子でした。
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たま駅長をねぎらう多くの声
「天国でゆっくり休んで」
「たまのおかげで貴志駅はにぎやかだった」
「いっしょに地域を盛り上げてくれた」
「本当にご苦労様でした」
と住民たちはたま駅長をねぎらいます。
和歌山県の仁坂吉伸知事も
「本県の観光振興に大いに貢献されました」とし、
「深い悲しみとともに感謝の気持ちでいっぱいです。
どうか、安らかに永眠されますようお祈りいたします。」
とコメントを出しました。
社長は、「たま駅長」の功績をたたえ、
「名誉永久駅長として永遠にその名を刻み、残したい」
と表明しています。
たくさんの人たちに愛された「たま駅長」。
28日12時30分より、
貴志駅にて「たま駅長」の社葬が執り行われ、
多くのファンと最後のお別れになります。
和歌山電鐵「訃報のお知らせ」