七夕の午前11時(日本時間)、私たちの住む日本を含む、
アジアの空を見守ってくれている気象衛星「ひまわり8号」が
本格的に運用開始。
この「ひまわり8号」は従来機の7号より様々な性能が
新しくなりました。
具体的に何が変わり、そして私たちの生活に
どんな変化をもたらしてくれるのか見ていきましょう。
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8号になり何が変わったの?
解像度
これまでの1km四方から、0.5km四方(可視画像の場合)まで
識別できるようになり、台風の進路予測や、ゲリラ豪雨の
原因である積乱雲の動きがより監視しやすくなります。
これからのゲリラ豪雨が多く発生する季節に、
高精度な予測ができることで、私たちは事前に
豪雨を回避できるのではないでしょうか。
カラー
7号まではモノクロ撮影のみで、気象庁ホームページのカラー
『衛星画像』は人工的に色を着けたものでした。
それが、カラー撮影が可能になり、本物の色合いを
持つ画像に変わるのです。
また、白い雲と黄砂との識別ができ、
黄砂飛来の監視もしやすくなります。
弱点
実は「ひまわり」には弱点があり、関東が悪天候の場合に
データ取得が困難でした。
理由は、「ひまわり」の画像を受信する「アンテナサイト」と
呼ばれる施設が、埼玉県鳩山町の一ヶ所にしかなく、
この周辺が悪天候になれば、受信作業で直に影響を受けていたため。
そのため、2013年北海道江別市に、「副局」となる
アンテナサイト・データセンターを開設しました。
こちらの施設が24時間、天気予報を発信する助けとなり、
より安定したデータ受信ができるようになったのです。
ひまわり8号の映像をリアルタイムで
こちらのサイトではひまわり8号が映し出す映像を
リアルタイムで見ることができます。
美しいカラー映像で地球の大気の流れが
ハッキリ見られるなんて、技術の進歩に脱帽ですね!
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ひまわりという名前
私たちが生活していく中で、確かな空の情報を送り続けてくれる
「ひまわり」ですが、実はその身近な愛称が過去に
消えかけていたことを皆さんは知っていますか?
ひまわり5号の次に「みらい」という衛星がありました。
愛称は、気象観測だけでなく、航空機の位置測定も可能な
初の「運輸多目的衛星」であることから決定しました。
しかし、1999年の打ち上げ発射直後にロケットが故障し、
「みらい」は爆破処理となってしまったのです。
この出来事以降の衛星は「ひまわり」という名前に戻されました。
今や、多くの人たちが知る「ひまわり」という愛称の背景には、
「みらい」がたどった悲しい運命がありました。
そんな試行錯誤を繰り返し、進化してきた「ひまわり」。
普段何気なく見上げた夜空の中で、その空を
見守り続けるものがいることに感謝の気持ちを
送りましょう。