7月9日、金沢市中央卸売市場で、石川県の
赤い宝石と称される高級ブドウ「ルビーロマン」が
今季の初競りにかけられました。
出荷された31房のうち、ある1房には
なんと100万円の値が!
これまでの最高額は昨年の1房55万円。
今年はそれを大きく上回る最高額となりました。
購入したホテル日航金沢の平井料理長は
「北陸新幹線が開通したこともあり、
何が何でも競り落とすよう言われていた」
とコメント。
コース料理のデザートとして提供されるそうです。
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ルビーロマンの特徴
味は甘くてジューシー、糖度は18度以上で
巨峰並に高いですが、酸味は巨峰に比べて少なく、
しつこい甘さではなく後味があっさり、
豊富な果汁と、さわやかな甘みが
口いっぱいに広がるのが特徴です。
日本国内では、極少数派の赤色の大粒品種の中でも、
ルビーロマンは、夏の暑さにも負けず赤く色づき、
トップレベルの粒の大きさを誇り、巨峰の
2倍の大きさになります。
今回の初競りで出荷されたものも、1房600グラム前後あり、
1粒がゴルフボール大くらいのものも。
ルビーロマンの歴史
ルビーロマンは石川県が開発した新品種の高級ブドウです。
平成7年、「赤くて大粒のブドウが欲しい!」という
ブドウ農家の願いから、石川県農業総合研究センター
砂丘地農業試験場で14年かけて開発した品種。
試験圃場の片隅に、「藤稔」という黒色の大粒ブドウから
採取した種400粒を播いたところから始まりました。
平成9年頃から実を付け始めましたが、赤い実を付けたのは
400本の樹の中でわずかに4本。
その中から、味、色、房や粒の大きさなどの品質、
栽培のしやすさなど、地道な調査を繰り返し行い
選んでいきました。
そして選ばれた1本が、「ルビーロマン」です!
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厳しい基準
ルビーロマンは粒の重さや色づきなどに厳しい基準が
設けられており、例えば糖度は18度以上、
重さは350グラム以上というものです。
基準により、化粧箱・トレーに収める房、
実が一部取れた業務用、基準を満たさない
加工用の三種に分けられます。
また実が割れてしまったなどの理由で
商品にならない場合もあります。
ルビーロマンの出荷箱には、産地名、
生産者名が記入された「生産者シール」を貼り付け。
さらに、厳しい品質基準をクリアした房には、
「認証タグ」が付けられ、特に品質が優れた房には、
ルビーロマン最高峰の証として“PREMIUM”(プレミアム)
の表記が入っています。
そんな厳しい基準をクリアし昨年、出荷されたのは
1万5120房、業務・加工用では計5.4トンとなり、
商品化率は約38%でした。
本年度の出荷は9月上旬までに1万8000房を目指し、
商品化率を40%以上に向上させることを目標としています。
100万円で競り落とされた「ルビーロマン」は1房に26粒。
1粒あたり、なんと3万8500円!
そんな高いんじゃ到底食べられない…と思った方、
ご安心ください。
市場に出荷される販売価格は例年通り1房8000円~1万円ほど。
少しがんばれば手が届きそうな高級ブドウ、
ぜひ一度味わってみては?