2016年を迎え、あっという間にお正月も過ぎてしまいましたね。
そんな中、ネット上では1月5日頃、地鳴りが聞こえた
という声が多くみられています。
この地鳴りが聞こえたというのは東京都周辺が主で、
「大地震の前兆かもしれない」と不安がる人も。
今回都民たちが聞いた音は、本当に地鳴りなのか?
そして大地震との関係はあるのでしょうか?
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5日朝から大きな地鳴り
やば((((;´・ω・`)))さっきから地鳴り?みたいな音してる@新宿区
— ぽち (@Po__________chi) 2016, 1月 5
地鳴りだとしたら今まであまり聞いたことが無いぐらいにデカい。渋谷と世田谷の境目辺り。 — Morris Kensington (@morikenpi) 2016, 1月 5
やっぱりさっきの音は地鳴りだったのか。 ちょっと不気味@山手線の西側
— saka_matsumi (@matsumi_saka) 2016, 1月 5
朝からものすごい地鳴り。 — こあらん☆☆ (@koaran1223) 2016, 1月 5
朝から頻繁に大きな地鳴りが続いており、不気味である。 東京都目黒区です。
— マリリン@全力で政権交代 (@monokakinotsuma) 2016, 1月 5
Twitterに寄せられていた投稿は、いずれも東京都民のもののようです。 また、同日東京湾で小さな地震が起こっていたことに触れる人も。
今日の地鳴りみたいな音 この音と関係あるか?は、不明だけど、気象庁の地震データの詳細を確認したら、今日、震源が東京湾の極小さい地震が2度おこってる。(M1.2とM1.8)の地震。12月26日に5連続で起った東京湾の震源付近。 . pic.twitter.com/PH3ujcTdpo — T.HIRANO (@TOHRU_HIRANO) 2016, 1月 5
関東地方ではここ数日で細長い雲が平行に連なる「地震雲」が
多くみられており、大地震が起こるのではないかと都民の
不安をさらに煽っているようです。
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そもそも地鳴りとは?
あまり馴染みのない音である地鳴り。
「地鳴りって結局何?」という方もいらっしゃることでしょう。
地鳴りとは、地震などによって地盤の振動する音が聞こえる現象。
地震の初期微動である、小刻みな縦揺れが地鳴りという
音になって聞こえます。
一般的には「ゴゴゴゴ…」というような擬音で
表されることが多いでしょうか?
ジェット機の音や、ダンプカーなどが近づいてきたような鈍くて低い音に
似ているそうです。
地鳴りと地震は関係ない?
専門家によると、地鳴りと地震予知の関係は科学的に証明されておらず、
さらに今回の騒動となった音は本当に地鳴りなのかを疑う声も。
というのは、地鳴りをちゃんと聞いたことがある人は研究者でも
あまりいないため。
「今のは地鳴りだ」と断定するのは研究者でも難しいということですね。
今回のケースのように、騒音が激しい都内でこんなに多くの方が
同時に地鳴りを聞いたというのが本当であれば、歴史上初となる大事件。
今のところ首都圏直下の地盤に異常も見られないため、
専門家は今回の騒動が地鳴りだった可能性は低いと考えています。
大正時代に起きた関東大震災の前兆
余談ですが、大正12(1923)年9月1日に起きた
関東大震災(大正関東地震)の時にはこんな前兆が起こっていました。
・発生6か月前
鎌倉~藤沢エリアで連日連夜の地鳴り
大島の噴火
・発生4か月前
水戸=銚子エリアで体感できる地震が急増
山中湖の濁り
精進湖の水位の異常上昇
・発生1か月前
相模湾が濁り魚が獲れなくなる
川口市でなまずの異常繁殖
井戸が濁り枯れ始める(安政の大地震前にも有)
東京湾沿岸地域で地鳴り
・発生2週間前
伊豆半島で海底から泡が立つ
隅田川で魚の大量死
都内の飼い犬たちが尋常ではないほど吠える
・発生1週間前
鎌倉~東神奈川エリアでハゼの異常繁殖
・発生前日
月が異常なほど不気味な明るさに
季節外れの異常な暑さ
大砲のようなドンドンという音
カニが岸壁へ大量に上がってくる
空に謎の発光現象
・発生当日
雲がないのに雷
昼間にもかかわらず海で発光現象
頭痛を訴える人が急増
朝から晴れたり曇ったり天気が異常
大きな地鳴りが立て続けに起こる
もしも関東大震災が起こったら
もしも首都直下で関東大震災(大正関東地震)のような大規模な地震が
起こった場合、その被害はどれだけ大きくなるのでしょうか?
まずは首都圏の交通を担っている地下鉄。
地下鉄施設は緊急時に備え、停電が発生した際には、
予備電源を作動させることが義務づけられているため、
すぐに止まってしまうということはありません。
しかし、およそ40分後には予備電源も停止、
構内は完全に停電に。
地下鉄は空調設備とともに電車が走ることで空気を押し出し、
トンネル内の空気を循環させているため、電車まで止まってしまうと
地下鉄内の空気の循環が滞り、二酸化炭素の濃度が上がってしまいます。
その状態が長時間続くと、高炭酸ガス血症になり、めまい、
頭痛がおこり、意識障害や昏睡状態に陥る可能性も。
さらに地上は帰宅困難者などが大量にひしめき合うことが
予想されるため、やすやすと外に出ることもできません。
外出者の多い平日正午に地震発生した場合、東京都と神奈川、
埼玉、千葉各県、茨城県南部で最大989万人が帰宅困難に。
仮にバスですべての帰宅困難者を送り届けることを
試算した結果、最大6日かかると予想されています。
また、地上だけでなく高層ビル内に閉じ込められてしまう人も。
建物が壊れずとも、高層ビルのエレベーターが止まれば上層階に
いる人たちの避難は困難を極めます。
さらに今危ぶまれているのは、2020年に開催される
オリンピックのために作られた選手村。
建設予定地の晴海地区は埋め立て地であり、
地震によって液状化する可能性があります。
東京湾近辺の液状化予測図
http://doboku.metro.tokyo.jp
五輪施設のほとんどは堤防の外側の埋め立て地に作られるため、
選手村付近から陸側に逃げるためには橋を通らなくてはなりません。
この橋が落ちてしまれば選手村は孤立、逃げるすべを失います。
さらには東京湾の埋め立て地に保管された重油などによる海上火災、
また、地震によって水門が作動しなくなり、甚大な津波の被害が
出ることも予想されます。
最悪のシナリオとして考えられているこの被害予想。
想像しただけで地獄絵図のような光景ですね。
関東の活断層による地震周期は?
地震大国とも呼ばれる日本。
関東でマグニチュード7クラスの地震が30年以内に
70%の確率で起こると言われていますが、
関東にある断層から見てその可能性は高いのでしょうか?
日本各地では地震の周期やパターンを読み解くため、
大地震が起きた証である断層の調査が進められています。
調査の結果、1923年の関東大震災(大正関東地震)タイプの
再来周期は短くても220年と言われており、過去6000年間の
平均から見ると大地震の間隔は400年以上。
今年で関東大震災(大正関東地震)から93年、再来まで
少なくとも130年の猶予があるとみられています。
よくメディアなどで騒がれている甚大な被害をもたらすタイプの
地震はこの関東大震災(大正関東地震)を引き起こした、
フィリピン海プレート上の境目が揺れて発生する地震。
ここ30年で訪れると思われる直下型地震は、あくまでも
関東地方でマグニチュード7クラスというだけであり、
そこまで大きな被害にならない可能性の方が高いようです。
しかし油断は禁物。
関東大震災(大正関東地震)の前には、マグニチュード7クラスの
地震が8度も起こったそうです。
つまり。直下型地震は1度だけではなく、フィリピン海プレートが
起こす大地震までの100年間の中で数回続くかもしれないということ。
実は日本、そして関東地方は世界的に見ても地震の
大発生地に位置する地域。
http://z-shibuya.cocolog-nifty.com
特に茨城県南部は「地震の巣」と呼ばれるほど
地震が起こりやすい場所です。
戦後これまで大きな被害をもたらす地震がなかったのは
奇跡に近いことなのです。
過去の歴史を振り返ってみると、南関東のマグニチュード7クラスの
地震は、1800年代が5回、1900年代は4回となっており、
2000年代にも4~5回のマグニチュード7クラス地震が
起こるのではないかと言われています。
関東大震災前の主な地震発生履歴(1883~)
年 | 発生地 | マグニチュード |
1891 | 山梨東部 | 6.5 |
1895 | 霞ヶ浦 | 7.2 |
1894 | 東京地震 | 7.0 |
1894 | 東京 | 6.7 |
1921 | 竜ケ崎 | 7.0 |
1922 | 浦賀水道 | 6.8 |
そして2000年代ではすでに2015年にマグニチュード8.5クラス
小笠原諸島西方沖地震が起きています。
この地震は幸いにも震源がかなり深かったので
大事には至りませんでした。
専門家の中には、1987年に起きた千葉県東方沖地震
(マグニチュード6.7)をもって、次の関東大震災タイプの
前兆地震が始まったと考える人もいます。
近年の地震発生履歴(~1999)
年 | 発生地 | マグニチュード |
1980 | 伊豆半島東方沖 | 6.7 |
1987 | 千葉県東方沖 | 6.7 |
活断層から見て130年の猶予があると考えられていても、
それはあくまで推測に過ぎず、地震はいつ襲ってくるかわからないもの。
日ごろから防災に備えておきましょう!