東京都中央区にある築地市場。
新鮮な魚以外にも包丁や食器なども購入ができ、
飲食店も豊富で外国人からも人気の高い観光地の
ひとつとして知られていますね。
そんな築地市場に本日トラブルが発生!
食中毒を引き起こす恐れのある「バラハタ」が
他の魚と間違えられて販売されてしまったようです。
いったいバラハタとはどんな魚なのか?
どんな毒を持っているのかをご紹介します。
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バラハタとは
http://www.mhlw.go.jp/
バラハタはスズキ目・スズキ亜目・ハタ科・ハタ亜科に分類される
ハタの一種で、「シガテラ毒」という毒を筋肉や内臓に持つ魚。
赤、または黒褐色の体色で、体長は60~70cm程度まで達します。
地方によってはナガジューミーバイ、ブナガニーバル、
スワスンなどとも呼ばれています。
バラハタに含まれるシガテラ毒の発症時間は
比較的早く、多くの場合1~8時間で発症します。
症状は主に以下の3種類に分類されます。
・消化器系症状
下痢、吐気、嘔吐、腹痛など。
通常数日間で収まりますが、時に1か月以上
不調が続く場合も。
・神経系症状
徐脈、血圧低下など。
発症率は少ないですが、ショック状態に陥ることもあるため、
注意が必要です。
・神経症状
温度感覚異常、関節痛、筋肉痛、掻痒、しびれなど。
シガテラ毒の最も特徴的な症状です。
通常1週間程度で収まりますが、重症化すると1年以上継続することも。
いずれの症状も命を落とすことは極めてまれであり、
2005年以降の記録では犠牲者はいません。
シガテラ毒は煮ても焼いても消えないため、
食べるのはとてもリスキー。
しかし、沖縄などでは釣れたバラハタを普通に食べることもあるようで、
2010年~2014年にかけての中毒発生件数は19件、
中毒患者数は60名にも達しているようです。
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なぜ築地市場に並んだのか?
今回のトラブル発覚は、4月12日朝8時半頃、
市場衛生検査所の職員がバラハタに似ている魚が
とある仲卸店に陳列されていることを発見したことから。
職員が写真を撮り、事務所に戻って魚種を確認したところ
バラハタと確信。
しかし、店に戻るとバラハタはすでに4277円で
1匹売れてしまった後でした。
ではなぜ店頭に並んでしまったのか?
仲卸店は「ナンヨウスジアラ」として産地から仕入れたと
話しており、どうやら誤って販売してしまったようです。
ナンヨウスジアラは九州や沖縄地方に生息する魚です。
こちらがナンヨウスジアラ(スジアラ)の写真。
http://www.zukan-bouz.com/
そしてこちらが間違って販売されたバラハタ。
http://www.mhlw.go.jp/
確かに体色や模様は似ていますが、バラハタの方は
ヒレの端っこが黄色いですね。
バラハタを買ったのは誰?
誤って販売されていたバラハタを購入したのは
男性だと言うことが判明しています。
しかし、この男性の身元は分かっておらず、
バラハタの回収が困難な状態に。
東京都はバラハタを食べないよう注意喚起し、
回収を急いでいます。
【注意喚起】本日(4/12)築地市場で、有毒魚(バラハタ)が販売された事実が判明しました。食べた場合には健康被害が発生する可能性があります。バラハタと思われる商品を購入した方はお近くの保健所または食品監視課まで。https://t.co/IQgpD4mFy9
— 東京都福祉保健局 (@tocho_fukuho) 2016年4月12日
もしもバラハタの可能性がある魚を発見した場合は
東京都福祉保健局 食品監視課までご連絡を!
TEL 03-5320-4413
命に別状がないとはいえ、健康に影響が出るバラハタのシガテラ毒。
食べてしまう前に見つかることを祈るばかりです。