8月4日、気象庁は噴火の情報を
いち早く伝達するためのシステム
「噴火速報」の運用を開始。
昨年の御嶽山の件や、近頃
活発化する浅間山や箱根山などの
火山たちを警戒し、被害を
未然に防ぐ対策として期待が
高まっています。
この「噴火速報」はどのような
仕組みで私たちに危険を
知らせてくれるのでしょうか?
Sponsored Link
噴火を即座に知らせる「噴火速報」
噴火速報の対象となるのは、気象庁により
24時間の監視が行われている全国47の活火山。
噴火が一定期間見られない火山で噴火を
観測した場合や、すでに噴火している
火山でさらに大規模な噴火が見られた
場合に、5分以内で利用者に伝達する
仕組みとなっています。
監視カメラによって噴火が直接確認できた
場合はもちろん、噴火した可能性が非常に
高い場合にも「噴火が発生した模様」として
通知するそうです。
すでに噴火している火山での同レベルの
噴火、また噴火がすぐに確認できなかった
時には発表されません。
この噴火速報はメールやスマホアプリで
通知される予定です。
また、「yahoo!防災速報アプリ」が
こちらの噴火速報に対応しているとのこと。
従来の噴火警報レベル3での通知
「噴火警報」に加え、噴火速報を
お知らせしてくれます。
運用における課題点も
大変便利な噴火速報。
しかし、運用にあたっての
課題もいくつか残っています。
それは、携帯電話の電波が届かない
地域には発表が届かないということ。
山頂や登山道のすべてで携帯電話の電波を
受信できることが確認されている火山は、
北海道のアトサヌプリと有珠山のみ。
特に登山中の利用者に知らせたいはずの
噴火速報ですが、多くの火山では
防災行政無線の整備が進んでいないため
火口付近にいる人には届きません。
気象庁で観測が行われている47の火山の
うち、防災行政無線のスピーカーが
山頂、登山道ともに整備されているのは
東京の青ヶ島のみでした。
一部整備がされている火山も15にとどまり、
全体の約7割が整備されていないことが
わかっています。
Sponsored Link
システム改修を予定
噴火速報を各自治体の防災行政無線で
自動放送するためには、災害や有事の際に
国が衛星回線を使って情報を発信する
J-ALERTや全国瞬時警報システムの
改修が必要となっています。
総務省消防庁は2015年度末までに
改修を行う見通しだと発表しました。
噴火情報が一番必要なのはやはり登山客。
伝達手段の強化がなされ、もしもの際にも
すぐに避難できる体制が一日も早く
整えられることを願っています。