昨今データの変更など問題が浮き彫りになっている
自動車の燃費試験。
国土交通省は、自動車の排ガスと燃費性能を測定する試験方法に、
国連が定める国際基準を2018年に採用する方針のようです。
採用される方法はWLTPと呼ばれるもの。
これまでのJC08モードとは一体どんな違いがあるのでしょうか?
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国によってバラバラな燃費試験
現在、排ガス・燃費の試験方法は各国や地域が
独自に設定しているためバラバラ。
最近だと日本では三菱自動車が燃費データの変更のみならず、
1991年から日本が定める試験方法ではなく米国方式に近い手法で
燃費試験を行っていたことが問題になりました。
そんな国による差をなくすため、日本が採用しようとしているのが
「WLTP」と呼ばれる国際基準方法。
国際連合欧州委員会が主導となって世界共通の排出ガス試験方法を作成する活動であり、
「WLTP」は「Worldwide harmonized Light-duty Test Procedure」の頭文字。
日本では「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」と訳されます。
この方式が世界で広まれば国際基準を導入した国・地域への出荷のために
必要なデータ取得が1度で済むようになり、メーカーの負担が減るメリットも。
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WLTPとJC08の違い
現在日本で行われているLC08モードの測定基準はこちら。
平均速度 | 24.4km/h |
最高速度 | 81.6km/h |
走行時間 | 1204秒 |
走行距離 | 8.172km |
対してWTLPは車両を重量や最高社則によってクラス分けし、Class1~3に分類。
クラスによって測定基準が変わります。
Class1 | Class2 | Class3a | Class3b | |
平均速度 | 28.5km/h | 35.6km/h | 36.4km/h | 36.6km/h |
最高速度 | 64.4km/h | 85.2km/h | 97.4km/h | 97.4km/h |
走行時間 | 1022秒 | 1477秒 | 1477秒 | 1477秒 |
走行距離 | 8.1km | 14.6km | 14.9km | 15km |
また、国際基準であるWLTPはエンジンが冷えた状態からスタート。
従来のJC08モードではエンジンが温まった状態からの計測が可能だったため
比較的燃費性能の数値が良く出やすかった傾向にあると言われており、
WLTPが採用されることでより実際の走行時に近い燃費性能が
計測できるとみられています。
今後WLTPの普及により、今回のような問題発覚が
なくなっていくと良いですね。