9月1日、東京オリンピック組織委員会は
佐野研二郎氏がデザインした公式エンブレムの
白紙撤回を発表。
組織委員会事務総長である武藤敏郎氏は
同日行われた記者会見にて「国民や
スポンサーには心配や迷惑をかけた」
と謝罪しました。
しかし、なぜエンブレムを白紙にするという
事態になってしまったのかについて、
報道陣から責任問題を追及されると
あいまいな説明が目立ちました。
今回のエンブレム騒動は日本中に
多大な影響を及ぼしたもの。
やはりどこに責任があるのか、
誰がどんな責任を果たすべきなのかは
はっきりしてほしいところでしょう。
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エンブレム撤回による企業への影響
今回、公式エンブレムが白紙に戻ったことで
影響を受けた企業は少なくありません。
中でも多大な影響が及んだとみられているのは
150億円が目安とみられるオリンピックの
最上位スポンサー「ゴールドスポンサー」。
ゴールドスポンサーは13社あり、
8月31日に東京オリンピック特設ページを
ネット上で開設していたNECは
公開からわずか1日でホームページ上
からエンブレムを削除することに。
その他、三井不動産やアシックスなど、
ホームページにエンブレムを載せていた
企業が次々に撤去しました。
また、テレビCMにエンブレムを用いていた
東京海上日動火災保険は3日からのCM
差し替えを発表。
同様に日本生命も速やかな差し替えを
行うとしています。
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東京都にも及んだ影響
東京都も広報活動でエンブレムを印刷した
物品の発注を進めており、1日時点での
契約額は約4652万円。
そのうち約35万円は支払い済みと
なっています。
さらにすでに納品済みのポスターや
のぼり旗などの請求は避けられないとされ、
さらに約277万円が支払い予定に。
法律的な検討はまだされていませんが、
都の担当者は大会組織委員会へ賠償を
請求できるか協議する見込みです。
今回の騒動の責任はどこに?
1日に行われた記者会見にて武藤敏郎東京五輪・
パラリンピック組織委員会事務総長は
エンブレム白紙撤回となり多方面に迷惑が
かかることになってしまった責任について
「三社三様で責任がある、誰が悪かったという
ものではない」と発言。
類似デザインの確認不足の点については
「商標登録されていないデザインを確かめるのは
困難」と釈明し、一刻も早く新デザインを決めることが
組織委員会の果たすべき責任と述べました。
また、取り下げを申し出たことでデザイナー佐野氏は
自らの責任を果たしたとかばい、関係者の処分や
今後の検証を明言することなく会見は終了。
出席した武藤氏ら組織委員会の面々は
頭を下げる姿をほとんど見せませんでした。
エンブレム公募条件を緩和
武藤氏は今回の会見の中で、今後再募集する
エンブレムの公募について触れ、前回は
2つの賞の受賞歴がある人に限定されて
いたが、もっと広く一般のデザイナーも
参加できるように考えたいとのこと。
選考基準に関してもできるだけオープンな
選考にしたいとし、これから具体化していくと
発言しました。
報道陣からは「招致の際に使っていた
エンブレムを再活用しては?」との声も
挙がりましたが、武藤氏はパラリンピックの
エンブレムの問題もあると反論。
新しい提案をいろいろ受け止めながら
考えていきたいとの旨を伝えました。
武藤氏による記者会見の様子や、
盗用疑惑についてはコチラの記事に
まとめてありますので、あわせてご覧ください。