NY発のファッショントレンド「ノームコア」が、
日本にやってきました。
「ノームコア」の意味は「究極の普通」
「ノーマル」と「ハードコア」を合わせた造語で、
着飾ることに疲れた人々が、定番でシンプルな
物の良さを再発見しています。
先駆者は、日本製の黒のハイネックシャツを
着続けたスティーブ・ジョブズ氏で、
服選びに時間をかけない、効率的な生き方が、
死後に注目されました。
これをきっかけに今、日本ではある新現象が起きています。
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ユニクロでの新現象
シンプルな無地Tシャツなどの男性服を女性が購入する
現象が起きています。
特に、20代女性の間では、「パックT」という
1枚540円のユニクロのメンズTシャツが大人気。
二十数色ある中で、白やグレーなど
地味色に人気が集中し、女性需要で
Sサイズが品切れ状態です。
シンプルだからこそ、組み合わせで変化が楽しめ、
インスタグラムには、「ユニジョ」の画像が
多数投稿されています。
また、ポロシャツや麻のシャツなども人気で、
男性服を女性が着る現象は、昨秋の
ケーブルニットから起きています。
今回の現象は自然発生であり、ユニクロといえば
ノームコアっぽいとのイメージが来店・購入につながり、
同社の国内売り上げ増加につながったといえます。
スティーブ・ジョブズ
「究極の普通」ファッションといえば、
米アップル創業者、スティーブ・ジョブズ氏。
彼が、1980年代に来日した際の、ソニーの作業着を
きっかけに、デザイナーの三宅一生氏に自分用に
黒のハイネックをオーダーするようになりました。
生前の、私たちがよく目にしていた彼の服は逆に、
iPhoneなどの自社商品と本人の魅力を際立たせていました。
よって、時代がやっとジョブズ氏に追いついたといえるでしょう。
無駄を省く生き方
「ノームコア」は、2013年10月にニューヨークの
トレンド予測グループ「K-HOLE」が発表した概念です。
当初、個性を大事としていた米国ではとても斬新なもので、
まわりと同一化する普通の服という意味と、
服選びの手間や時間を減らす意味があります。
日米で「ノームコア」が支持されたのには、
シーズン毎のトレンドに踊らされ、服に
時間やお金を費やしてきたことへの
疑問や反省があるといえます。
また、米国人女性が書いた「フランス人は
10着しか服を持たない」(大和書房)が、
日本で63万部を超すベストセラーになったことからも、
少ない定番を着回すオシャレが注目されているといえるでしょう。
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ノームコアの注意点
洋服は本来、欧米人のためのもの。
シンプルなデザインの服は日本人の体形の弱点がでて、
ダサく見えてしまう可能性があります。
例えば、脚の太い女性がメンズシャツを着る場合、
ボトムは細身のパンツなどでシャープに。
シャツはインして、ネックレスなどでポイントを
上に持ってくるだけでも体型をカバーできます。
まず自分の体形を知ることがとても重要なのです。
その場の環境になじみ、普通の中にもこだわりのスタイルを
心がける「ノームコア」は、昔から日本人の精神にあるもの。
これをきっかけに、皆様も今一度、自分の
「服」について向き合ってみてはいかがでしょうか?