中国の株価暴落で、多くの投資家が大混乱し慌てふためく中、
40億の利益を上げた日本人デイトレーダーがいた事を
皆さまご存知でしょうか?
その名前はCIS(シス)。
若干36歳という若さで天才的な読みと独特の世界観で、
底値をほぼ完璧に見極め、その打つ手をツイッターで次々発信、
フォロワー数は4万人を誇る、その道では有名な人物です。
あの大混乱の中で、CIS(シス)はどのようにして
40億もの利益を出したのでしょうか?
その経緯を追います。
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40億までの経緯
8月24日、
中国の株価暴落で、
多くの投資家が混乱し慌てふためく中、
先物売りに大量に資金を投じた日本人デイトレーダーがいました。
そのトレーダーはほぼ完璧に底値を見極め、
さらに4万人のフォロワーに対して、
打つ手を次々ツイート。
持ち高を手じまった時に得た利益は40億円。
8月の金融市場は、多くの投資家が慎重になり、
取引がマヒする混乱するさえあったにも関わらず。
このCIS(シス)という
ハンドルネームで知られるこの男性は違いました。
「こういうすごい乱高下する時、
僕めちゃくちゃ得意~」とCISは言います。
CISは日経平均の指数先物が下がると読んで、
8月中旬から同先物を売り始め、
24日の終了までに得た含み益は
15億8000万円に上り
持ち高を積み増したと思うと、
その夜、米国市場は取引開始後に急落。
利益を確定させたCISの儲けは
さらに2倍に膨らみました。
それでもCISは勝利を祝うこともせずに取引を続行。
25日、
今度は相場が底を打ったと読んだCISは持ち高を解消すると、
「俺のリバ取り物語はこれでいったん終了」とツイートした。
すると、底値からのリバウンドを取ることで
利益は3倍にまで膨らむと、
「完璧」
取引仲間の村上直樹氏は
「ここまで完璧にこなしたCISさんを見たのは初めてだ」と話す。
村上氏は個人投資家向けの講習会の講師を務めることもあり、
取引についてのブログでちょっとした有名人です。
2013年
CISは約1兆7000億円相当の株式の売買していましたが
これは東京証券取引所での個人投資家による
1年間の株式の取引の0.5%に相当する金額。
しかし、そんなCISも、
ギリシャ危機では7億円失ったと話します。
中国が世界経済を減速に陥れるのか?
CISは全く分からないと答えると
売買するときは取引量と値動きを見て、
市場の勢いを読む。
だから、基本の
「売られているものを売る、買われているものを買う」
これだけだ言い
むしろ全く気にもしていなかった。
今回の始まりは8月12日、
CISは株式市場で主要指数が
投げ売りから回復できずにいることに気づくと
日経平均の指数先物を売り始めます。
初日に200枚、
その後の1週間半で1300枚。
名目上の評価で1枚約1900万円の板が1500枚、
つまり日経平均の下落に約290億円を投じるという
大きな仕掛けを講じたのです。
同指数が100円動くたびに
1億5000万円勝つか負けるかという
ハイリスクな投資。
《待つも戦略》
市場は数日間、大きな動きを見せませんでしたが、
CISは焦ることも、新たに何かを講じることもなく
ゲームをして時間をつぶしていました。
21日
相場が下がり始め、市場が動きを見せます。
週明けの24日には
日経平均は過去2年で最大の下げとなり、
先物は1000円以上値下がりし、
1万8410円になりました。
午後3時の取引終了時には
15億8000万円余りの含み益を獲得。
大抵の投資家ならこの時点で持ち高を手じまいして、
しばらくの間、売買から身を引くところをCISは、
「先物売り増してお散歩お祈り開始!」とツイッターでつぶやくと
先物をさらに100枚売るのでした。
2時間後には、もう100枚追加。
日経平均下落にかけた持ち高は328億円にまで膨らみ
同指数が100円上昇する毎に1億7000万円を失う計算になります。
《米国パニック》
CISは24日の日本時間の午後10時半に
米国市場が開くまでこの取引を続けていました。
その理由は、
上海市場の8.5%急落など
アジア市場の下落を見たアメリカの投資家が
週末の休みから戻ってきたら
きっとパニックになるだろう。
そうすれば、米国市場は下げ、
日経平均の指数先物も深夜の取引量が低い中、
つられて暴落するだろうというCISの読みからでした。
「米国の寄付き前に、
みんなすごい恐怖を感じて売るんじゃないかと、
ちょっと狙っていた」とCISは言います。
この言葉通り、
ダウ工業株30種平均は
取引開始直後に6%以上下落。
日経平均先物は再び急落し、
午後3時の取引終了時の水準から
1250円の下げを見せました。
自宅で寝巻姿のCISは
先物売りのポジションをようやく解消し、
この時点での利益は33億円。
しかし、パニックで儲けるべき伸び代はまだ残っていた。
一部投資家はその夜、
日経平均1万500円割れに備え
オプション商品に多額のプレミアムを払う
意図を示していました。
その水準は約40%の大暴落にあたります。
CISの目には、
多くの投資家たちが起こりえないことに対して
多額の保険を買おうとしているように映ったと話します。
《底値を見極める》
CISは喜んでその取引の売り方に回ると
これで新たに3億円の利益。
最初の取引が成立したのは、
午後10時34分に底値を付けてから10秒以内。
そこが底値だったと分かるのは、
ずっと後になってからになるのですが。。。
その時のCISは
「おいしい」と
ツイッターでつぶやいていました。
約1時間後、
市場の反発に、CISはさらに確信を深め、
日経平均の指数先物を買い始めます。
その日取引を始めた時の手法とは逆方向。
25日の午前1時までに970枚、
指数が上昇すると読んでの賭け、
173億円。
さらに寝る前にもう一つ取引を行います。
それは、
混乱した投資家に売られるオプションの77万円。
午前1時40分、
CISは「小銭」を稼ぐのをやめると
「いろいろあってぐったりなので寝れそう。
買いポジ1枚も売らないで明日へ突入!」と
ツイッターにのつぶやき。
5時間後
CISはまたツイッターでつぶやきを再開。
日経平均の先物指数が1万8000円付近で取引が始まり、
CISは徐々に値を戻していくと、
午後には全ての買い持ちを解消しました。
これほどまで大きな取引をしていたにも関わらずCISは
さも当たり前のように冷静な態度で
「僕は負けている時はあまりつぶやかないので、
勝っているときほど言いたくなるんですよ」とCISは笑いながら話すのでした。
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CISはどんな人物?
CISは昨年
世界の金融プロフェッショナルのための金融情報月刊誌
「ブルームバーグ・マーケッツ」にも取り上げられました。
「ブルームバーグ マーケッツ」と は、
独特の視点から、
ビジネスや金融界のキープレーヤーに関する特集、
最先端の企業情報・投資戦略や
世界経済に与える影響などを
様々な角度からの情報を発信し、
プロの投資の世界を読者へと提供しています。
世界の金融プロフェッショナルや
企業のエグゼクティブのための金融情報月刊誌で、
37万を超えるユーザーに配布され、
世界のビジネスや金融界を動かす人々との
出会いの場を提供する情報誌でもあります。
そんなCISは2014年当時、
賃貸アパートの一室での10年に渡るデイトレードの日々で、
Tシャツに、腰に上着を巻き、iPadで証券口座をチェックするというスタイル。
その時の資産額は160億円を超えていました。
ワインとポーカーを愛し、
2003年物のドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティなど、
いいワインに目がないと言います。
投資を始めた頃、CISはネット掲示板で挑発的な発言を繰り返し
日本のデイトレーダの間で知られる特異な存在でした。
昨年、2014年にはツイッターのアカウントを開設し、
ビデオゲームや投資売買についてつぶやき始めると、
フォロワー数は4万人にまで膨れあがる人気ぶり。
暴落や危機と感じず
チャンスへと運んでいく
冷静な判断力に
停滞に慌てず待つ
信念の強さ。
パニックな時こそ
こういうことが大切なのだと
気づかされますね。