基準に満たない免震ゴムを製造・販売した問題が
発覚した東洋ゴム工業(大阪市)。
22日、弁護士10人による外部の調査チームは
最終調査報告書を発表しました。
「企業風土に問題があった」と指摘された東洋ゴム。
報告書によると、新たに9人の関与が疑われています。
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免震ゴム事業参入時から続いたデータ改ざん
報告書によると、東洋ゴムは
1996年の免震ゴム事業参入時から
データの改ざんを行っていたことが
明らかになりました。
2014年の夏以降は、
当時の経営陣がすでに
不正を認識していたにもかかわらず、
今年2月まで公表や問題のある製品の
出荷停止を遅らせていたことも発覚。
製品の完成後に品質をチェックする
品質保証部門でも、
データ改ざんに関与していたと指摘。
不正は開発部門だけではなく、
幅広い部門にわたって行われていたことも
明らかになりました。
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新たに上司を含め9人が関与か
当初は、開発担当者が一人で改ざんを
行っていたと説明していましたが、
4月の中間報告書では
4人が直接関与していると認定。
さらに今回の最終報告書では、
開発担当者の上司などが
不正の容認をしていた可能性が高いとし、
新たに9人の関与が疑われています。
報告書では、この問題を引き起こした原因として、
・規範遵守意識の著しい鈍磨
・醸成させる企業風土
・会社としてのリスク管理の不備
・管理・監督機能の脆弱性
・経営陣の意識、判断の甘さ
などを指摘。
再発防止策としては、
・コンプライアンス体制、
・内部統制の総点検、
・監視委員会の新設、
・社外の専門家による
全事業を対象とした不正調査の実施
などが提言されました。
調査チームによる会見では、
代表の小林英明弁護士は、
2007年に発覚した
断熱パネルの不燃性能を
水増ししていた不正に触れ、
「教訓が生かされておらず、
不祥事につながる風土が根付いている」と批判、
抜本的な社内改革が必要と強調しました。
東洋ゴムは、23日に会見を開き、
今後の再発防止策や、
役員の処分について発表すると
見られています。
手作業による交換、要する期間は2年程度
東洋ゴムは、
140億円を投じて、
対処が必要な154棟、免震ゴム約3000基を
当初の性能評価基準に適合する製品に
取り替えると発表しています。
また、手作業になるため、交換には時間を要し、
すべて完了するために
2年程度で調整している、
としています。