現在、経営再建中のシャープは、
大阪市阿倍野区にある本社ビルを、
大手家具販売会社「ニトリホールディングス」に
売却する方向となりました。
なぜシャープは
本社ビルを売却することになったのでしょうか?
その全容をお伝えしたいと思います。
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どうして不動産を売却?
シャープは中国経済の減速などで、
液晶事業の不振に陥り、
2015年4~6月期は
339億円の損失、経営が悪化していました。
7月末には
高橋興三社長が記者会見で、
「他社との提携もオプションの一つだ」と話す一方、
主力取引銀行からは
抜本的なテコ入れを求められていました。
液晶事業の社外への分社化や、
他社から支援を受けることなどを検討する中で、
今回の本社ビル売却となったのです。
本社ビル以外にも、
本社ビル向かいに保有している
田辺ビル敷地、約1万1千平方メートルも、
同時に「NTT都市開発」に売却する方向です。
売却後はどうなる?
シャープ本社と田辺ビルは大阪市の南、
市営地下鉄・御堂筋線の西田辺駅も近い。
高級住宅街や市内へのも近く交通便利も良いため、
今後は、ニトリが店舗の用地へ
NTT都市開発は高層マンションを
建設する見通しです。
本社ビルは、
売却額は数十億円とみられ、
9月中の契約を目指し。
田辺ビルの売却は
NTT都市開発と交渉中で、
売却額は100億円程度となる見込み。
シャープは売買契約を結んだ後、
両社に賃料を支払いながら入居を続け、
2017年頃をめどに移転するとしていますが、
移転先はまだ未定となっています。
今後のシャープは?
シャープは、2015年5月15日に発表した
経営再建計画(中期経営計画)を実行し
2018年3月期に1200億円の営業利益を
目指しています。
経営不振に陥っている液晶事業についても、
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と
提携交渉に入っていることが分かっています。
シャープの主力である液晶事業を
社外へ分社化することで、出資を受け入れ、
鴻海と共同出資で液晶を製造している
堺工場のシャープ出資分を売却するなど
経営再建に向け動き出しました。
突然の中国経済不安など
問題重なりましたが、
日本の持つ高い技術力で
国内はもちろん海外への信頼も回復し
なんとか経営を立て直してもらいたいものですね。