昨年12月に式を挙げた中原尚志さんと麻衣さん。
2人が婚約したのは、約8年前の2006年7月。
1年間の交際を経て尚志さんがプロポーズし、
翌年の2007年3月にこの式場で挙式の予定でした。
この8年間に何があったのでしょうか?
挙式までの2人の道のりに
感動の声が寄せられています。
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麻衣さんの異変
尚志さんがプロポーズして、2人が婚約したのが2006年7月。
翌年3月に挙式を予定し、人生の一大イベントへ
向けて心躍らせる日々。
ところが、式まで残すところあと3ヶ月となった12月、
麻衣さんに異変が起きました。
ついさっきまでの事が思い出せなくなり、
真夜中に奇声を上げるようになったのです。
脳外科へ受診しますが、原因はわからず。
精神病院に入院、一時は心肺停止し
命の危険な状況にも陥りました。
他の病院へも転院しますが、その後も昏睡状態は続き、
けいれんや暴れるなどの症状が続き、 新郎の尚志さんは、
麻衣さんのご両親から、「他のいい人を探すように」と
言われたそうです。
しかし、それでも麻衣さんの側で回復を祈り続けました。
数ヶ月後、発症が極め稀な「抗NMDA受容体抗体脳炎」への
疑いが強まり、治療が始まりました。
治療生活
適切な治療が始まると、呼びかけにも反応できようになり、
少しずつ回復。
約3年の治療で、自分の名前を書くことや、
感情を出せるようになったそうです。
そしてめでたく2011年の春に退院。
自宅で過ごすなかで、家族は認識できるようにはなりましたが、
頻繁に会いに来てくれる尚志さんのことは思い出せずにいました。
「何でいつもそばにおるん?」と疑問に思っていたそうです。
待ち焦がれた8年越しの挙式
それでも、尚志さんはずっと諦めず奇跡を信じ、
麻衣さんが自分を取り戻すまで待ち続けたのです。
そして、2014年12月、約束していた同じ式場で
8年越しの挙式を迎えることができました。
8年間待ち続け支え続けた尚志さんの深い愛と、
お2人と関わってこられたすべての人たちの想いが
込もった結婚式の動画がこちらです。
会場は岡山市内の結婚式場。
ウェディングドレス姿の麻衣さんが車いすから立ち上がり、
両親に支えられながらゆっくりバージンロードを歩く姿を、
新郎の中原尚志さんが見守ります。
そして今回の体験を元に一冊の本が書かれました。
「8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら」
お2人自身によって書かれたノンフィクション作品は
7月1日に発売予定です。
感動と涙なくしては見ることができません。
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抗NMDA受容体抗体脳炎とは?
NMDA受容体とは、脳の神経細胞で信号伝達の役割を担う
機能を持つ細胞です。
抗NMDA受容体抗体脳炎は、本来細菌やウイルスから
身体を守るはずの免疫系が自分の脳を攻撃する
自己免疫疾患です。
自分の脳を攻撃することで、幻覚を見たり呼吸が
できなくなったりなど無反応の状態などが続き、
発症率は100万人に0.33人とされています。
現在では、早期治療で8割近くが完全に病気から
回復するという結果が出ています。