太平洋の南方海域で漁をする日本のカツオ・マグロ漁船が、
コストの上昇で危機におちいっています。
大きな要因は漁場の周辺国に支払う
入漁料の大幅な引き上げが原因で
2015年1月1日から海外まき網漁獲量の
9割にあたるPNAのEEZ(排他的経済水域)
の入漁料を引き上げを、来年からはえ縄漁も
入漁料も上がる見通しです。
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なぜかつお節がピンチ?
今年に入って入漁料が増えたこの海域は、
かつお節原料となるカツオの一大供給地で、
漁業者からは「このままでは漁が困難になる」と
悲鳴が上がっています。
主な漁場は、太平洋の赤道付近に広がる
ミクロネシア連邦やキリバス、パプアニューギニアなど
8カ国の排他的経済水域(EEZ)。
特にカツオの漁獲の大多数は、
静岡県の焼津港や鹿児島県の枕崎港などで水揚げされ、
現在国内のかつお節需要の約7割を賄っています。
何が原因?
日本の巻き網船はこれまで、水揚げ高の5%程度を
入漁料として払っていましたが、
8カ国は2012年に操業日数に応じて
入漁料を課す共通方式を新しく導入。
12年は1日当たり最低5000ドルだったのが、
14年は6000ドル、今年2015年には8000ドル
(約98万円)に値上げされています。
海外まき網漁業協会によると、
1隻当たりの負担額が導入前に比べ
4~5倍に膨らみ、年間支払額は
約2億円に上るそうです。
8カ国は6月中旬に開いた閣僚会合で、
来年の巻き網船の入漁料は8000ドルで据え置き、
来年1月からマグロのはえ縄船にも
同様の方式の入漁料を導入することを確認。
はえ縄船の入漁料も引き上げが確実視されています。
収入の最大化に向け、操業枠の
入札制度も取り入れ始めました。
空前のヘルシーフードブームと日本食ブームで
カツオの需要が世界的に増えたのも
問題のひとつといえるでしょう。
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今後食卓のかつお節どうなる?
0魚価の低迷、海外の大型船との競争、
燃油コストの上昇と遠洋漁業者を取り巻く環境は
厳しさを増していく一方で、
業界団体などは政府に入漁料の
補助などを求めています。
水産庁は「直接支援は難しい」との立場ですが、
巻き網船の規制緩和や経営規模の拡大などで
生き残りを後押しする検討を始めました。
今後は消費者の意識改革を含めた政策を検討して
日本の食卓を守って欲しいですね。