現在冥王星を観測中の無人探査機ニューホライズンズ。
7月14日夜8時50分頃に冥王星へと最接近するようです。
その距離は何と約1万25000キロ!
地球-気象衛星ひまわり8号間のわずか3分の1の
距離にまで迫る間近での観測に、期待が高まります。
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これまでの観測結果
冥王星の黒点
こちらは6月下旬に撮影された画像。
明るい茶色の冥王星の赤道付近には
直径約500キロほどの黒点が
規則正しく並んでいるように見えます。
近くには暗い灰色の物体、衛星カロンが見えますね。
ハートマーク
こちらの画像は7月7日、約800万キロの距離から
撮影されたカラー画像。
大きなハートマークのような模様が見られます。
クレーター発見
そしてこちらが7月11日に撮影された、
前回のハートマークがあった部分とは
反対から撮られた画像です。
冥王星の表面にクレーターや崖のような地形が
見えますね。
また、最接近直前の観測によって、冥王星の直径が
地球の18.5%相当の2370キロということが判明。
これまで推定されていた規模より密度が小さめで、
氷が多いとみられています。
ちなみに冥王星最大の衛星カロンの直径は
1208キロだそうです。
さらに新発見が続々と
ディズニーのプルート?
四角で囲われた部分にご注目下さい。
あのディズニーのプルートのように見えませんか?
わかりやすくするとこんな感じ。
「冥王星(Pluto)にプルートがいる!」と
話題になっています。
富士山級の氷山
14日の撮影で発見された約3500メートルの巨大な氷の山!
ちなみにニューホライズンズが集めた
画像データがすべて地球に届くまでには
約16カ月かかるそう。
これからもたくさんの新発見の便りが
届くのを楽しみに待ちましょう。
冥王星とは?
1930年に発見された天体で、いまだに
判明していない点が多い冥王星。
冥王星とその衛星カロンの動きを観察した結果、
この二つの天体はいわゆる「二重星」を形成しているようです。
二つの天体の間にある共通の重心の周りを公転していて、
ほかの四つの衛星を含めて、とても複雑な運動をしています。
また天文学者たちは、ほかにもまだ衛星があるのではないかと
考えているようです。
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ニューホライズンズの長い旅
2006年の打ち上げから9年以上、
約50億キロの長い長い旅を経た
無人探査機ニューホライズンズ。
7月5日には通信異常が起こり、
観測が一時停止するなどのトラブルも
ありました。
そんな困難も乗り越え、
2015年7月14日午後8時50分頃に
冥王星からわずか1万2500キロの
距離に到達します。
今まで謎に包まれていた冥王星の正体が
判明するかもしれない今回の観測には
研究者のみならず世界中が注目しています。
また、冥王星の解析が進めば、地球誕生の
謎の解明へもつながる可能性も。
地球と冥王星は類似点が多く発見されており、
例えば冥王星の衛星カロンは、かつて月が
生まれた時とよく似た天体同士の衝突に
によって誕生したと考えられています。
今回の観測では新事実が分かるのでしょうか?
楽しみでなりません。