クロマグロの養殖で有名な近畿大(大阪府東大阪市)は
7月13日、「ウナギ味のナマズ」を新たに開発し、
報道関係者向け試食会を大阪市内で開きました。
かば焼きにしたこのナマズは泥臭くなく、
風味、食感ともにウナギとほぼ変わりません。
絶滅の可能性もあり、価格高騰が続くウナギ。
今夏の「土用丑の日」ももうすぐですが、
ナマズが今、期待の星となっています。
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ウナギ味のナマズ
近畿大はウナギと食感が似ていて、養殖技術のある
ナマズにいち早く着目。
えさや水質などの研究を重ね、臭みがなく、
脂の乗ったナマズの開発に成功しました。
そしてまもなく、鹿児島県内に設立予定の生産会社に
近畿大が技術提供を行い、本格的な養殖をスタート。
今後1年程度で約10万匹の生産を目指したいとしています。
土用の丑の日
梅雨が明けると、蒸し暑い夏が到来。
土用の丑の日には、夏バテ防止にウナギを食べる
習慣がありますが、ウナギは価格高騰が続いています。
今、ウナギに代わり、「ウ」の付く食べ物など
さまざまな行事食が見直されていることをご存知でしょうか?
高騰するウナギ
総務省の調査によると、ウナギのかば焼き(国産)の小売価格は、
平成23年までは100グラム当たり千円を切っていましたが、
24年以降は同千円を超え、26年の年間平均価格は同1249円。
今年は6月現在で同1163円で、昨年6月(同1279円)
よりやや安いものの価格高騰が続いています。
水産庁によると、市場に出回る99%が養殖ウナギ。
その養殖のためには、「シラスウナギ」と呼ばれる
天然のニホンウナギの稚魚が必要ですが、22年頃から、
ニホンウナギの稚魚がいる東アジア全体で不漁となり、
小売価格が高騰。
また、ニホンウナギは昨年6月、国際自然保護連合
(IUCN)により絶滅危惧種に指定されました。
このまま、ウナギの需要が変わらなければ、
高値は続くとみられています。
見直される行事食
現在では、「土用の丑の日」=「ウナギを食べる」と
習慣になっていますが、本来は「ウ」の付く食べ物を
食べるといいという言い伝えがあります。
夏が旬のウリ(スイカ、キュウリ、カボチャ、
トウガンなど)、のど越しのいいうどん、
食欲増進効果のある梅干しなど。
この日にウナギを食べる習慣は、江戸時代の学者、
平賀源内が広めたとする説が有名です。
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土用の丑の日
土用の丑の日は、暑い夏を乗り切る知恵として
習慣づいたようです。
土用は節分や彼岸と同じ雑節の一つ。
木火土金水に分けて世界の成り立ちを説明する
陰陽五行説の考えなどにより、立春、立夏、
立秋、立冬の直前の17~19日間が
「土用」となります。
今年の立秋は8月8日で、夏の土用の入りは
7月20日。
今年は十二支の並びにより、丑の日は
24日と8月5日の2回あります。
夏の土用には、昔から梅雨明け後に生活用品を虫干しし、
夏の暑さのため、栄養のあるものを食べるなどの
習わしがあるのです。
今夏は、ウナギだけでなく、旬の野菜、
うどんや梅干しなどを食べながら、
家族で日本に伝わる食の良さや由来に
ついて話してみてはいかがでしょうか?
そして、来夏にはナマズがウナギに変わり、
スーパーなどに自然と陳列されているかもしれませんね。