近年、スマートフォンの普及により増加し続ける
インターネット上でのいじめなどのトラブル。
お互いの顔や姿が見えない匿名性を悪用し、
相手を傷つける言葉を平気で書き込んでしまう
若者が増えており、深刻な問題となっています。
こうしたトラブルを事前に防ぐべく、千葉県柏市が
トラブル防止アプリを用いた監視実験を実施。
プライバシーに関わる課題は残りますが、
ネットいじめの防止策として注目を集めています。
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LINEの発言を監視できるアプリ
今回監視アプリによる実験を行うのは千葉県柏市の
一部の中学校に通う中学1年生たち。
用いられたのはITベンチャー「エースチャイルド」が
が開発した交流サイト監視サービス「Filii(フィリー)」。
このアプリでは若者の交流ツールの主力となっている
Twitterなども監視することができますが、一番の目的は
LINEでの発言の監視。
気軽にメッセージを送ることができるLINEでのいじめは
年々増加しており、時にいじめに耐えられなくなってしまい
自ら命を絶ってしまう子供のニュースなどもテレビで見かけることが
多くなってしまいました。
当アプリ「Filii」の使い方は、まず親子がそれぞれのスマホに
アプリをインストール。
LINEで子供が受け取ったメッセージ内に、いじめや犯罪に
繋がりそうな単語があれば親に通知するというもの。
アプリが検知してくれる単語は悪口や暴力など10のカテゴリーに
分けられた約2万語にも及び、「KY」などの若者言葉や
援助交際の隠語として使用される「応援」なども通知。
危険度の高さも同時に警告されます。
また、子供に対しても親へどのように通知されたかが
分かるようになっています。
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プライバシーの課題
とても便利なアプリではありますが、懸念されているのは
子供のプライバシー侵害。
会話の原文がそのまま親に送られるわけではないとはいえ、
誰との会話なのか、いつ会話したのかは筒抜け状態になります。
会話の中身が何となく読み取れてしまうのではないかと
いう不安も当然あるでしょう。
ネットいじめに限らず、いじめは一度起きてしまえば
なかなか収束できず、事前に防げるならば防ぎたいもの。
しかし、友人との会話の監視はあまり度が過ぎると
子供の自由を奪ってしまうことにも繋がりかねないため、
さじ加減が難しいところです。
まずは今回の実験結果が出次第、今後の課題を
解決していくことになるでしょう。