約10年にわたり、290円の「中華そば」を
看板商品に掲げていた幸楽苑が、
このたび全店舗にて販売を終了しました。
もとは、1954年福島県会津若松市に食堂として創業、
その後は東日本を中心に国内外に約500店舗を構える
大手チェーン店としてその名を馳せてきました。
今回、どのような経緯で「中華そば」が
販売終了になってしまったのでしょうか。
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低価格から価値重視へ
材料費・人件費・光熱費などの高騰により昨今厳しいラーメン業界。
近年では、出店と閉店・廃業が拮抗しており、
生き残るためには厳しい世界ですが、
ラーメン業界は比較的増加傾向にあるといいます。
そんな中、幸楽苑が「中華そば290円」の販売終了を
決意したのは、どのような経緯だったのでしょうか?
昨年10月、岡山県でオープンした店舗にて
「醤油ラーメン」520円(税抜)
を地域限定で販売スタート。
高単価でしたが、限定ラーメンの注文率は
店舗全体の約半分を占めており、
その後も維持しているとのことです。
一方、利益率の少ない「中華そば290円」は、
10年ほど前に販売開始した当時こそは
全売上の3割を占めていましたが、
現在では2割にも満たない程度にまで後退。
販売中止のタイミングを探っていたそうです。
この結果、昨年11月末の決算説明会で
幸楽苑の新井田社長が主力メニューの切り替えを発表。
新たな看板メニューは、岡山で限定販売された
「醤油ラーメン」を「醤油ラーメン司」として
全国販売をスタートすることになりました。
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それでも安い幸楽苑のラーメン
「中華そば290円」販売終了により、
幸楽苑の最も安いラーメンは
「極旨醤油らーめん」など390円(税抜)。
新たな主力メニューの「醤油ラーメン司」も520円(税抜)と、
他の店とメニューを比較しても安価には変わりありません。
ラーメンは「早くてうまい」食べ物として、
今や国民的日本食といっても過言ではありません。
客単価が低い業界ですが、
最近の傾向では1,000円ぐらい払ってでも
「こだわりのあるおいしいものを!」
という消費者も増えています。
消費者のニーズに合わせ、今後も変革していく
ラーメン業界に目が離せません。