21日、東京で日韓外相会談が開催され、
岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が
出席しました。
日韓の懸案となっていた「明治日本の産業革命遺産」の
世界文化遺産登録について、
両国は合意に達したと明らかにしました。
尹外相の訪日は
2013年2月の朴槿恵(パク・クネ)政権発足以降
初めてです。
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産業革命遺産 韓国側の主張を一部反映
「明治日本の産業革命遺産」の
世界遺産登録を巡って、
韓国側は、登録対象施設の中に
朝鮮人が強制労働させられた施設が
含まれている、としていました。
強制労働があった事実を無視したまま、
施設だけを美化することに反対し、
施設訪問者へこの歴史的事実について
何らかの形で説明するよう日本へ求めていました。
そこで日本側は強制労働に関する記述を
展示に盛り込むことを提案し、
韓国側の主張に応えるかたちとなりました。
また韓国でも、「百済歴史遺跡地区」が
ユネスコの諮問機関より登録勧告をされており、
両国がお互いに世界遺産登録に向けて
協力することで一致しました。
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安倍首相も韓国外相と会談
2015年6月は、日韓国交正常化から50周年。
22日には、安倍晋三首相と尹外相が
首相官邸で会談しました。
安倍首相は記者団に対し、
「日本国民のみなさま、そして韓国国民の
みなさまとともにお祝い申し上げたいと
思います。」と語りました。
尹外相も
安倍首相の父、故安倍晋太郎外相が
日韓関係の改善に偉大なる貢献をされたとし、
韓国に訪問した際の写真を送り、
友好ムードをアピールしました。
会談の中で、安倍首相は
「次の世代のため、朴槿恵(パク・クネ)大統領と
共に次なる半世紀に向けて、さらに関係を
改善していきたい」と述べ、朴大統領との
初の首脳会談実現へ「適切な時期」に開催する、
ということで一致し、日中韓首脳会談を年内に
行うことを確認しました。
国交正常化50周年を祝うメッセージ
同日には、国交正常化50周年の記念行事も行われ、
尹外相が出席し、朴大統領の祝賀メッセージを代読。
この行事には安倍首相も出席します。
一方、ソウルでも日本大使館が記念行事を開き、
朴大統領が出席、
「今後、新たな両国関係へと
進む元年になることを望む」との
メッセージを表明しました。
また、日本側からは日韓議員連盟の
額賀福志郎会長が韓国での行事に出席し、
安倍首相の祝賀メッセージを代読、
額賀会長は朴大統領を表敬訪問する予定です。
日韓関係は依然、従軍慰安婦問題などが
課題が山積していますが、
今回の改善のきっかけを活かし、
日韓首脳会談の実現につなげられるかが
今後注目されます。