30日、2015年7~9月期の公的年金
(国民・厚生・共済)の運用損益が
マイナス7兆8899億円に転じたと
年金積立金管理運用独立行政法人
(GPIF)は発表しました。
中国経済の減速を懸念した株価急落で
保有する株式の評価額が大きく下落。
約8兆円というこれまでの四半期の赤字額を
大きく上回り過去最大になっています。
私たちの将来に関わるこの問題
将来の年金はもらえるのか?
今後の公的年金についてお伝えします。
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一度は好調だった年金運用
約8兆円とははどのくらいのものかと言うと
あの建設費が高いということで話題になった
新国立競技場約50個分の建設費に匹敵する
金額です。
GPIFはこれまで年金の運用のほとんどを
手堅い国内債券を主軸として
安全性の高い運用をしてきましたが
2014年10月に資産の見直しによって
株式投資率を従来の2倍の25%へ
変更しています。
なぜそんなハイリスクな運用に切り替えたのか
疑問がわいてきますがその理由について
明治大学政治経済学部准教授・飯田泰之さんは
「年金の財政状況が現在厳しい中で、ほとんど利益を生まない国債と、それほど大きくないリスクの中で、4~6%ぐらいの利回りを上げられる株であれば、その株を投資対象から排除するというのは、ある意味でいうと、必ず損をする方法を選ぼうとしているに近いと思うんですね」
と、このようにコメントしています。
実際のところGPIFが運用する年金資産は
「アベノミクス」の後押しもあって
一時は140兆円を超え長期的に見ると
確実に増加しています。
GPIFの三石博之審議役も会見で
「10月以降は、大きく回復基調にあることが、おわかりかと思います。長期的な観点で評価することが、重要でございます」
と、長期運用での利益増強を強調しました。
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将来年金はどのくらいもらえるのか?
年金財政が回復を前に年金を需給することに
なるかもしれない世代の40代後半の一般男性
サラリーマンが現時点でもらえる年金の予定額は
年間でおよそ165万円、月額約14万円。
自営業などまるまる国民年金の方であれば
現時点でもらえる年金の予定額は年間で
およそ81万円で月額約7万円です。
年金がこれ以上減るとわかっているなら
個人でも資産運用が必然になってくる
ことにもなるかもしれません。
どんな投資であっても損得というものは
必ずついてまわるもの
GPIFの運用について明確な指標が
出されていない現状では
個人で資産運用する必要性も念頭に
いれておいた方が無難かもしれませんね。