今年11月の大統領選挙を前に沸き立つアメリカ。
先日スーパーチューズデーを迎え、
着々と集計作業が進められていますね。
過激な発言で注目を浴びる共和党の不動産王・トランプ氏、
そして民主党で女性初の大統領を目指すクリントン前国務長官。
現在この2人が各党の候補者の中で一番票数を集めています。
今回は、2トップとなっているクリントン氏とトランプ氏、
この2人の政治や課題に焦点を置き、また、アメリカの
大統領選挙の流れを説明していきたいと思います。
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主な候補者の獲得代議員数
(4月10日時点)
民主党
候補者名 | 獲得数 |
ヒラリー・クリントン | 1790 |
バーニー・サンダース | 1113 |
共和党
候補者名 | 獲得数 |
ドナルド・トランプ | 746 |
テッド・クルーズ | 538 |
ジョン・ケーシック | 145 |
3月15日のミニ・スーパーチューズデーを迎え、ますます佳境に入る米大統領選。
ルビオ氏は地元であるフロリダ州でトランプ氏に敗れたことを受け、
撤退を表明しています。
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現在優勢なトランプ氏とクリントン氏
ドナルド・トランプ
「強い米国」の復活を提唱し、中国に融和的なオバマ政権とは
逆を行こうとするトランプ氏。
数々の暴言が目立ちますが、トランプ氏が当選すれば
アジア諸国の安全にも影響をもたらすとされています。
また、トランプ氏は日本に厳しい面でも知られており、
日本とアメリカの信頼関係の根幹である条約の再交渉を公約に
掲げ、さらにTPPへの否定的な発言などもあり、現時点では
日本にとってはあまり良い候補ではないようです。
トランプ氏が政権を得ることで、アメリカは孤立主義を強め
自国を強化してアメリカだけを安全な国にするために動くだろうと
一部の専門家はみています。
ヒラリー・クリントン
初の女性大統領を目指し、現在民主党では1人勝ち状態と
なっているクリントン氏。
国務長官としての外交経験や、弁護士として長年培ってきた
キャリアが有権者から彼女への信頼を高めています。
また、いまだ民主党内で絶大な支持者を持つ、元大統領の
ビル・クリントン氏が知恵袋として控えている点も大きいでしょう。
しかし、そんなクリントン氏の経験がかえってあだとなる可能性も。
アメリカ国民は現在の「動かない政治」に苛立っている人も多く、
新たなヒーローを求めているふしがあります。
そのため。過去の政治を知り尽くしたクリントン氏では
また同じことにしかならないのではないか、それならば
新しいことをしてくれるかもしれないトランプ氏に
期待するといった声が大きいようです。
今後アメリカの政治不信を打ち破っていけるかが、クリントン氏の
成功のカギを握っています。
アメリカの大統領選挙は長期間
アメリカ大統領選挙の流れ
1~6月 | 共和党 | 民主党 |
予備選挙・党員集会にて代議員を選出 | ||
7~8月 | 全国党大会 統一候補を指名・決定 (独立系はここで候補が決定) |
|
8~12月 | 一般投票に向け選挙活動・選挙人が選出 | |
一般投票開始 | ||
11月第1月曜日の翌日 | 開票と集計 | |
12月第3日曜日 | 選挙人による投票 | |
翌年1月6日 | 開票 | |
1月20日 | 新大統領就任 |
アメリカは国会議員の99%が共和党。もしくは民主党の
いずれかに属する二大政党制の国家。
そのため、大統領選挙の際はまず両党それぞれが候補を
選出するところから始まります。
この候補を選出するのは「予備選」と呼ばれ、
州ごとに行われます。
(アイオワ州・ノースダコタ州など一部の州は「党員集会」によって
決まります)。
この予備選の期間はなんと1月から6月まで。
各州でそれぞれ行われ、票を取れない、資金を調達できない候補者たちが
次々とリタイアしていくという、まさにサバイバルレース。
この長丁場の中で特に大きな山場とされているのが
「スーパーチューズデー」と呼ばれる日。
スーパーチューズデーは両党の予備選が集中する日となっており、
大統領選挙がある年の3月初旬の火曜日に当たります。
このネーミングは1988年3月8日に行われた予備選で
初めて用いられました。
候補者たちはこの日をどう乗り切るかが大統領候補になる
カギとされ、非常に重要な日として位置付けられています。
今年は現地時間3月1日がスーパーチューズデーにあたり、
民主党はクリントン氏、共和党はトランプ氏が大きく
リードを広げています。
予備選の集計方法
予備選の結果の反映方法は両党異なっており、
民主党は得票数に応じて後述する全国大会で実際に候補者を決める
代議員を獲得します。
例えば50人の代議員がいる州で、とある候補が50%の得票を得た場合、
その候補は25人の代議員を獲得したことになります。
一方共和党では「勝者総取り」となっており、一位となった
候補がその州の代議員を全て獲得します。
4年に1度の全国党大会
そして予備選が終わり代議員が選出されると、
7月下旬から8月にかけて4年に1度の全国党大会が始まります。
ここでようやく大統領候補が決定されるのですが、
大抵の場合はここまでの予備選で候補者が獲得した
代議員の数は判明しています。
そのため、全国党大会は事実上は大統領選決起集会のようなもの。
ここからさらに大統領選は白熱していきます。
仕草ひとつで支持が移ってしまう恐れがあり、
非常に重要となるテレビ討論をはじめ、
相手を非難するネガティブキャンペーンなども
公然と行われるようになります。
そして11月の第1火曜日、2016年は11月1日が運命の日、
大統領選挙の本選がスタート。
しかし有権者は直接大統領を選べるわけではなく、
正式には「大統領選挙人」を選びます。
ここで選ばれた大統領選挙人によって大統領が選ばれるという
間接的な選挙の形となっているわけですね。
大統領選挙人は各州人数が定められており、合計538名。
大統領選挙人たちによる本当の大統領選は12月中旬より
行われ、翌年1月に開票、過半数となる270名を獲得した
大統領候補が晴れて大統領に就任します。
日本とは全く違う大統領選挙の流れ、たとえ一時優勢でも
簡単にひっくり返ることもあり、候補者たちは一時たりとも
油断できません。
来年1月に大統領の座を得ているのは誰なのか?
大統領の政策によっては日本への影響も懸念されるため、
注意深く動向を見守りたいところです。