三菱製軽自動車の燃費試験においてが改ざん行為があったことが
明らかとなり問題になっている三菱自動車。
燃費試験問題の調査内容を国土交通省に再報告したことにより、
5月11日、新たに記者会見を開きました。
会見には相川哲郎社長のほか、益子修会長も出席。
その様子と、三菱自動車の今後についてまとめてみました。
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三菱自動車記者会見の様子(5月11日)
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会見内容
今回の会見では、燃費の操作は「14型eKワゴン」「デイズ」などの
燃費訴求車の開発より始まっていたと報告。
新型競合車を強く意識し、26.4km/lから29.2km/lへと5回の
引き上げが行われ、現実的に厳しい目標を掲げて安易な見通しの
開発を行っていました。
また、開発関連の管理職が業務委託先とのコミュニケーションを
十分にとっていなかった点にも触れ、実務状況の確認が取れていなかった
ことも明かしています。
今後については各問題点をふまえ、抜本的な改革を検討中とのこと。
現在販売している9車種、既に販売を終了した車種については、
正しく走行抵抗を算出していないもの、『机上計算により算出したものが
あると疑わしいため、測定データによる裏づけや経緯などを調査しており、
詳しいデータが揃い次第改めて報告するとのことです。
問題があるとみられる車種は合わせて62万5000台が生産・販売されており、
補償などに向けては多額の費用がかかるとみられています。
三菱が事実上日産の傘下に?
今回の件に際し、軽自動車などの分野で協力関係にあった日産は
三菱自動車に対して2000億円を超える規模の巨額の出資を
する方向で調整中。
これにより日産は現在三菱自動車の株式の3分の1を出資している
三菱グループの主要3社を抜いて筆頭株主となりますので、
事実上三菱自動車を傘下に収めることに。
両社は軽自動車開発においては日産ブランドの軽自動車を
三菱の工場で生産するなど協力関係を築いていましたが、
資本関係での協力は初めてのこと。
この2社、そしてルノー(日産がアライアンス関係にあるフランスの自動車メーカー)の
昨年の世界全体の販売台数を合わせると、950万台を超えることとなり、
世界一だったトヨタの1015万台、フォルクスワーゲンの993万台らに迫る台数となります。
三菱自動車の問題発覚は業界再編のタイミングとなったとみる
専門家もおり、今後自動車のシェア争いがどうなっていくのかに
注目が集まっています。