17日午前、参院本会議で、
選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる
改正公職選挙法が全会一致で可決、成立しました。
1945年に「25歳以上」から「20歳以上」に引き下げられて以来、
70年ぶりの改定。
この改定で、今後の選挙はどのように変わってくるのでしょうか?
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いつから適用されるのか
18歳選挙権が適用されるのは、
来年夏(2016年7月25日以降)参院選から、
投票できるようになる見通しです。
年齢引き下げの理由は?
改正の背景には、若年層世代の投票率の深刻な低下があります。
少子高齢化で有権者に占める若い世代の比率が減少し続ける中、
15年後には有権者の30代以下の割合は25%、
60代以上は44%に達します。
今後、世代比率自体がシルバー世代が大きく占め、
世代の偏りが顕著にあらわになると想定されるため、
国政が動き18歳選挙権成立へ至りました。
選挙の年齢が18歳になるとどうなる?
この改正法で18歳以上の選挙運動も解禁されます。
選挙違反については、買収など連座制の対象になる選挙違反や、
選挙の公正確保に支障を及ぼす場合は原則、検察官送致(逆送)し、
成人と同じ刑事手続きで処罰されることになりました。
国会審議では被選挙権の引き下げを求める声や
少年法の適用年齢の引き下げについて意見が出されましたが、
今回は現行の「25歳以上」(参院議員と知事は「30歳以上」)が維持され、
「民法、少年法などの成年年齢引き下げも検討し、法制上の措置を講じる」
にとどまりました。
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選挙に行く人数比はどう変わる?
改正法で今後、
約240万人の18~19歳が新たに有権者となり、
全有権者総数の約2%ほどが増える見通しです。
世界の国々は何歳?日本は早い?遅れてる?
海外では18歳以上に選挙権を与える国が多く、
成人年齢も選挙権にそろえるケースが多数派。
衆院憲法審査会事務局のデータによると、
191国・地域のうち9割以上の176の国・地域で
18歳に選挙権を与えている(18歳以下の選挙権認めるも含む)。
欧米諸国のほぼ全域の国・地域が18歳。
オーストリアでは欧州連合(EU)加盟国としては初めて
国政選挙の選挙権を07年6月に16歳に引き下げました。
一方、アジアでは18歳としている国や、
19歳とする韓国、
シンガポールやマレーシアでは21歳となっています。
世界的に見ると、日本は少し遅いように感じるかもしれませんが
この改定を機に、子供の成長を感じられる親子の会話が増えそうです。