7月7日、米航空宇宙局(NASA)が
新たに冥王星のカラー画像を公開。
そこには、茶色っぽい姿の冥王星が
写しだされていました。
また今回は、カラー画像とともに公開された
3枚の連続した白黒写真では、冥王星の
表面の様子を見ることができます。
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今回の画像について
公開されたカラー画像は、3日に冥王星を
目指して飛行中の無人探査機ニューホライズンズが
冥王星までの距離約1,300万キロメートルから
撮影したものに、カラーデータが付与されたものです。
また同時に公開された3連の白黒写真では、冥王星の自転の
動きとともに変わる表面の模様の様子を確認することができます。
また、こちらの画像ではハートマークのような
模様も確認されています。
探査機ニューホライズンズ
NASAによると、この画像を撮影後、探査機ニューホライズンズには
トラブルが発生、通信指令をうまく処理できなくなっており、
いったんセーフモードに入り、機体の機能を最低限に絞っていたとのこと。
観測データ用の記憶領域を維持する作業中にトラブルが発生。
搭載コンピューターの処理能力を超えた作業量が負荷されたため
機能が停止し、予備のコンピューターに自動的に切り替わったようです。
その後、原因が判明、6日には正常な状態に復帰し、
冥王星へ最接近する14日には、問題なく観測ができる見通しです。
冥王星までの軌跡
2006年1月20日午前4時(日本時間)に打ち上げられた
「無人探査機ニューホライズンズ」。冥王星までの長く、
孤独な旅が始まったのです。
2006年4月7日 火星の軌道を通過。
探査機ニューホライズンズの長い飛行の間には、
その目的地の冥王星を取り巻く環境も変化しました。
2006年8月24日、冥王星の分類が惑星から準惑星
(当時は矮惑星(わいわくせい)と約されていました)に
降格されました。
しかし「冥王星探査機」ニューホライズンズの旅は終わりません。
2006年11月28日 初めて冥王星の撮影に成功。
2007年2月28日 木星に最接近。8億キロメートルを飛行したことになります。
2008年5月30日 土星の軌道付近を通過。
探査機ニューホライズンズは、その長い飛行期間の間、
ほとんどを冬眠モードで過ごしています。
冬眠モードとは、科学機器の電源をオフにしている状態で、
機器の消耗や故障といったリスクを下げるなどが目的。
ただ、約2ヶ月に一度には定期的に目覚め、
チェックなどを行っています。
その際テスト撮影などを行い、その時に撮影された画像が
公開されるのです。
2008年2月23日 太陽から9天文単位
(平均的な太陽から地球の距離約1億5000万キロメートルの
9倍の距離)に達しました。
2008年5月30日 冥王星までの距離の4分の1の地点に到達。
2010年2月26日 冥王星までの距離の中間地点に到達。
2011年3月18日 天王星の軌道を通過。
2014年8月25日 海王星の軌道を通過。
2015年1月15日 約48億キロメートルの旅を経て、
冥王星圏内にはいり、冥王星の観測をスタートさせました。
今後、7月14日に探査機ニューホライズンズは冥王星
およびその衛星カロンに最接近する予定です。
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測定されたデータなどはいったん機内に蓄積され、
地球には、2016年春頃までに順次送信される予定
となっています。
冥王星通過後は、太陽系外縁に位置する
エッジワース・カイパーベルにある天体の観測を
始めるとしている探査機ニューホライズンズ。
これからも、私たちに今までに見たことがない
宇宙の姿を届けてくれそうです。