2017年、宇宙のさらなる解明に向けた一大プロジェクトが
打ち出されるようです。
なんと日本・米国・欧州が共同運用する南米チリの
アルマ望遠鏡など、世界各地の電波望遠鏡が協力し、
ブラックホールの姿をとらえようとしているのです!
ブラックホールと言えば、光さえ脱出不可能な
真っ暗な穴として知られていますが、
そのブラックホールを観測するなんて
本当に可能なのでしょうか?
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世界が手を取り合ってブラックホール観測へ
今回観測に使われる技術は複数の電波望遠鏡が
同時にひとつの天体を観測することで解像度を
高める「超長基線電波干渉計(VLBI)」という技術。
ブラックホールは従来の望遠鏡でとらえるのは
困難を極めるため、アルマ望遠鏡と米国、メキシコ、
スペイン、南極にある電波望遠鏡でネットワークを
組んで同時観測を行う計画が進められています。
この技術を用いることで得られる解像度は、
ハワイ島にある国立天文台すばる望遠鏡の
3千倍にも及ぶそうです。
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狙いは天の川銀河
観測対象となるのは天の川銀河の中心部に位置する
ブラックホール。
地球から最も近い位置にあるとみられており、
約2万5千光年の距離にあります。
ブラックホールは非常に重い重力によって
周囲の時空のゆがめているとされ、
光すらも逃がさない天体。
そのため直接見ることはできません。
しかし、ブラックホールの中に落ちていくガスが
強い光を放つことが発見されているため、
光の中に「黒い影」として見えることが期待されています。
アルマ望遠鏡は昨年3月にスペインと、同年8月に
米国の望遠鏡と接続して試験観測を行っており、
結果は成功。
今年は各地の連携に向けて準備を進め、来年2017年春に
ブラックホール撮影を試みるそうです。
今まで誰も実際に見ることができなかったブラックホール。
観測できれば宇宙解明にまた一歩近づくこととなります。
まだ2016年に入ったばかりですが、来年の観測が楽しみですね!