例年、遅くても5月には1号が発生している台風。
しかし、今年はもう5月も終わりに差し掛かろうとしているのに
いまだ発生する気配がありません。
また、台風1号の発生が遅い年は7~9月に集中して発生する
恐れもあるとのことで、集中的な日本上陸などが起これば
水害が発生する危険性も。
なぜ今年の台風は発生が遅れているのか、台風シーズンはどうなるのか、
簡単にまとめてみました。
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台風発生が遅れている原因
気象庁によると、太平洋東部の赤道付近の海面の温度が
平年よりも高い状態が続く「エルニーニョ現象」が
2014年夏から続いており、今月にも終息する見通しとのこと。
エルニーニョ現象が終息する年は台風1号の発生が
遅くなる傾向にあるようです。
それに関連してインド洋の海面水温が上昇することで
積乱雲が発生し一帯の気圧が低下、台風の発生場所となる
フィリピン近海が高気圧に覆われるために台風ができにくくなります。
そのため今年の台風発生が遅れていると考えられています。
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年間発生数は変わらない?
しかし、発生時期が遅れても台風の年間発生数に大きな差はなく、
そのため7~9月に集中して台風が発生する恐れがあります。
例えば2001年は5月11日に日本へ接近し、統計がとられるようになった
1951年以降で過去7番目に遅い記録。
この年は7~9月に台風が計16個も発生し、9月に発生した台風15号は
関東地方を直撃して犠牲者も出しました。
1951年以降最も発生が遅い記録は1998年の7月9日。
次いで1973年7月2日であり、7月以降に1号が発生した記録は
この2つ以外にありません。
台風の年間発生数
年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 合計 |
2015 | 1 | 1 | 2 | 1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 | 4 | 1 | 1 | 27 |
2014 | 2 | 1 | 2 | 2 | 5 | 1 | 5 | 2 | 1 | 2 | 23 | ||
2013 | 1 | 1 | 4 | 3 | 6 | 7 | 7 | 2 | 31 | ||||
2012 | 1 | 1 | 4 | 4 | 5 | 3 | 5 | 1 | 1 | 25 | |||
2011 | 2 | 3 | 4 | 3 | 7 | 1 | 1 | 21 |
台風ができる仕組み
台風は北緯5度から20度くらいの熱帯地方の海上で
発生することが非常に多いです。
というのは、台風のエネルギー減が海から発生する
莫大な水蒸気であるため。
http://www.tenki.jp/
熱帯の海上に空気の渦ができることで、中心に向かって
水蒸気を多く含んだ空気が流れ込み、上昇気流が発生します。
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そして雲が作られ、積乱雲へと発達。
積乱雲となる過程で水蒸気が水の粒へと変わる際に
大量の熱を放出して周りの空気が温まり、
上昇気流がさらに強くなります。
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これを繰り返すうちに小さかった上昇気流の渦が
大きく発達し、熱帯低気圧になります。
この熱帯低気圧がさらに発達した姿が台風です。
発生が遅いとはいえ、今後やってくるのは確実な台風。
万が一の被害にあわないためにも、シーズン前に万全に備えておきましょう。