神奈川県横浜市の大型マンションが
傾いた問題で、くい打ち工事を手掛けた
旭化成が10月20日に記者会見を行いました。
40年以上もかけて築き上げた
ブランドが大きく傾いた今回の事件。
現在も調査が続けられています。
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昨年から傾いていた
問題のマンションに住む住民は、
マンションの傾きに昨年9月頃より
気づいており、販売元の三井不動産
レジデンシャルにずっと
無視されていたそうです。
住民男性はマンションの棟の手すりが、
渡り廊下で繋がる別棟の手すりよりも
約2センチ低くなり、さらに床も
約1.5センチも下がっていることを
指摘していたのですが、三井不動産
レジデンシャルは「東日本大震災の
影響」とはね付け、施工記録を見せる
ことも拒否。
訴えを続けて約5ヶ月後の今年2月、
ようやくボーリング調査を実施しました。
そこで発覚したのは、基礎工事で打ち込む
くい8本が地盤の強固な支持層に、
約3メートル達していなかった事実。
さらにはそのくいのデータが改ざんされていた
ことも判明し、くい打ち工事を行った
旭化成の責任が問われる事態となりました。
旭化成の対応
この事態を受け、旭化成は10月20日に
記者会見を実施。
マンションのデータの改ざんを認めながらも、
くいが支持層に届いていなかった事に関しては、
「不正を隠すために故意でやったことではない。
杭も支持層に達したと思っている」と主張。
工事を手掛けた10年前の記憶と記録を
もとに調査しているため、真偽のほどは
判断が難しいところですが、今後実際の
くいの状態を調査することで明らかに
なるとされています。
また、他に工事にあたった物件にも
データの改ざんがなかったとは
言い切れないため、過去にくい打ち
工事を行った全国およそ3000件に及ぶ
物件の調査を急ぐことを発表。
発表されなかった物件名
22日、旭化成は対象となる物件を公表するとしていましたが、
資料には物件数などが記載されたのみで、具体的な物件名などは
一切記載されず。
この理由を「いたずらに不安をあおることはできない」とし、
今後の調査で安全が確認された物件には特に連絡も
行わないそうです。
旭化成から発表された過去10年間のくい工事実績
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9月から一転 墜ちたブランドイメージ
対象物件には中学校や特別養護老人ホーム
なども含まれており、もしもくいの
データ改ざんがあれば旭化成のさらなる
ブランドイメージ失墜は免れないでしょう。
鬼怒川氾濫の際のへーベルハウスの強固さで
話題になった9月から一転、その杜撰な
工事が浮き彫りになってしまった旭化成。
浅野敏雄社長は真相究明に全力を尽くし、
その後に自らの辞任を含めた関係者の
責任問題を考えるとしています。
まずは住民の安全を最優先に考え、
一刻も早く調査を進めてほしいですね。
9月の鬼怒川氾濫で唯一残ったとして
話題になったへーベルハウスについてはコチラ