今世界中から注目を浴びているパナマ文書。
しかし、日本のメディアではあまり大々的には報道されておらず、
一体何のことかわからない方も多いのでは?
パナマ文書とは一体どんなものなのか、この文書の何がヤバイのか?
現在関わっていたことが判明している日本人・企業などもまとめてみました。
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パナマ文書とは?
パナマ文書はパナマにある法律事務所「モサック・フォンセカ」の
パソコンがハッキングされて流出した過去40年にわたる
業務内容についての機密文書のこと。
これが単なる一法律事務所の顧客情報だけならここまで大きな問題には
ならなかったのでしょうが、文書に書かれていたのは
なんと「タックス・ヘイブン」利用関連の情報。
世界各国の政府や富裕層たちが租税・脱税を行っているという
証拠になり得る情報が詰まっていたのです。
BBCによると、かつて国家のトップに君臨した人物の名や、
その親族、他にはスポーツ選手や著名人などの名前が挙がっているそうです。
さて「タックス・ヘイブン」とは何か?
これは所得税や法人税がないごく一部の国のことをさします。
有名どころで言えば人口4万人程度の小さな国であるケイマン諸島などが
挙げられますね。
ケイマン諸島では税金が一切かかりません。
その点に目を付けたのが、税金支出をおさえたい各国の大企業や富裕層。
タックス・ヘイブンに本業の職種とは全く関連のないペーパーカンパニーを作り、
そこへ送金することによって、別の会社への支出という名目で
税金を徴収されないよう資金を逃がしておくという手法を編み出しました。
今回機密文書が流出した「モサック・フォンセカ」は、
そのペーパーカンパニー設立に関わっている法律事務所。
誰がペーパーカンパニーを設立し、税金逃れをしているかが
パナマ文書を見れば一目瞭然なのです!
♯パナマ文書 pic.twitter.com/DaMUDSVqjR
— leviaboa (@leviaboa) 2016年4月6日
https://twitter.com/
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パナマ文書に関わっている日本人・企業
JAL | アーツ証券 | オリックス |
ジャフコ | トキワ | ドリームインキュベータ |
ドリテック | ジー・モード | ドワンゴ |
バンダイネットワークス | ファーストリテイリング | 丸紅 |
三菱商事 | 山一ファイナンス | 商船三井 |
石油資源開発 | 千代田リース | 双日 |
大宗建設 | 大日本印刷 | 大和証券 |
日本製紙 | 千代田リース | 双日 |
サトウテック | やずや | 楽天 |
ノースイ | トキワ | 伊藤忠丸紅鉄鋼 |
ここで挙がった会社は今回のパナマ文書で公開されたものではないのですが、
オフショアリークスというところから公開されているデータです。
ここの中から今回暴露されている可能性はあります。
また、海外の主要人物では
ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領)
習近平(中国国家主席)
李鵬(中国元首相)
デービッド・キャメロン(イギリス首相)
サルマーン・ビン・アブドゥル・アジズ(サウジアラビア国王)
アサド(シリア首相)
グンロイグソン(アイスランド首相)
ナジブ・ラザク(マレーシア首相)
ジャッキー・チェン(香港・映画俳優)
リオネル・メッシ(アルゼンチン・サッカー選手)
ミシェル・プラティニ(欧州サッカー連盟元会長)
などの名前が挙がっています。
資産疑惑にさらされたアイスランドのグンロイグソン首相は、
すでに4月5日に退陣に追い込まれる事態に。
中には友人等の名前で登録し巧妙に逃れようとしている人も
いますが、ほぼ裏がとれているようです。
また、世界中でどのくらいの人や組織がモサック・フォンセカを介して
タックス・ヘイブンを利用しているのか一目瞭然のマップも公開されています。
Panama Papers: where the money is hiding
こちらのマップに浮かぶオレンジ色の丸をクリックすると
国名や利用している人数などが分かります。
世界規模で利用されているタックス・ヘイブン。
国によっては脱税の責任を問われ、首相退任を求められるなど
一国をゆるがす非常事態にも発展しています。
パナマ文書は合法?
実はタックス・ヘイブンを使うことは多くの場合、合法であると言われています。
意図的に税金を逃れられる問題はあるものの、仕組み自体は
犯罪に問われることはありません。
しかし、そのお金がどこから来たのか、どこへ向かうのかは不明瞭。
また、「マネー・ロンダリング(資金洗浄)」の温床となっているという指摘もあり、
不正に得たお金をバレないようにタックス・ヘイブンへ送金してから戻すという
悪質な使い方もあったようです。
2013年にも問題視
実はタックス・ヘイブンを利用したペーパーカンパニーの存在は
2013年にも一度問題視されていました。
その際も巨額の租税回避は指摘されていましたが、
大企業たちがあくまでも「節税」をしてるという認識となり
世間ではあまり大きなニュースにはなりませんでした。
しかし実は2013年時点でケイマン諸島だけでも
日本は世界2位の55兆円もの租税回避を行っていたことが発覚!
2012年度の日本の税収45兆円を遥かに凌いでいます。
これは見過ごせない問題でしょう。
世界で問題となっているパナマ文書。
日本ではまるで「海外での問題」として他人事のように報道していますが、
大企業や富裕層が払うべき税金を納めていないのは国にとって大打撃。
実際には私たちにも大きく関わる問題なのです。
決して他人事と思わず、今後の情報もしっかりチェックしてみてくださいね。