箱根山では6月30日に噴火が確認されてから、1週間あまりが経過。
その箱根山で調査をしていた産業技術総合研究所など
4研究機関により、噴出した火山灰の量は40~130トン程度と
みられることが分かりました。
これは、昨秋に噴火した御嶽山の火山灰量の50万トンに
比べると、ごく小規模であったことが分かります。
しかし、箱根山の噴火警戒レベルは依然3のまま変わらず。
現在の箱根山の状況はどうなっているのでしょうか?
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火山灰の最大量は130トン
箱根山の火山灰の調査を行ったのは、
産業技術総合研究所、山梨県富士山科学研究所、
防災科学技術研究所、神奈川県温泉地学研究所の
4研究機関。
噴出量を推計するため、火山灰を採取していました。
噴火による降灰は、大涌谷の火孔から北西に
約4キロメートル離れた地点にも達していたと
考えられています。
降灰量は最大130トン程度の見通し。
火孔付近の火山灰の量は未確認とのことです。
箱根山 この1週間
依然、火山性地震が発生するなど、
火山活動が活発な状態が続いている箱根山。
気象庁は引き続き火口周辺警報の、
噴火警戒レベル3(登山禁止・入山規制)を
発表しており、噴火に伴う大きな噴石に
警戒するよう呼びかけているのは
大涌谷からおおむね1キロの範囲。
6月29日、箱根山では火山性微動が
初めて観測されました。
火山性地震はそれ以降増加し、大涌谷では
新たな噴気孔を認めることができました。
翌日の30日、大涌谷でごく小規模な噴火が発生し、
火山灰が周辺に積もり、飛び散った噴石は
直径が30センチ程度だったと確認されています。
また、7月1日にもごく小規模な噴火が発生。
その後も火山活動が活発な状態は続いており、
大涌谷で新たに確認された複数の噴気孔や、
周辺の温泉の設備から、白い噴気が勢いよく噴き出し、
火山性地震も観測されています。
箱根山の火山性地震と火山性微動の発生回数
6月26日から30日まで | |||
火山性地震 | 806回 | 火山性微動 | 1回 |
7月1日 | |||
火山性地震 | 47回 | 火山性微動 | 0回 |
7月2日 | |||
火山性地震 | 14回 | 火山性微動 | 0回 |
7月3日 | |||
火山性地震 | 24回 | 火山性微動 | 0回 |
7月4日 | |||
火山性地震 | 15回 | 火山性微動 | 0回 |
7月5日 | |||
火山性地震 | 17回 | 火山性微動 | 0回 |
7月6日(15時まで) | |||
火山性地震 | 1回 | 火山性微動 | 0回 |
低周波地震は観測されていません。
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今後への警戒
箱根山に設置されている傾斜計などでは、
地殻変動が観測されています。
これを気象庁は、今年4月下旬以降の火山活動に
関連するととらえていて、箱根山では今後も
噴火が発生する可能性があり、大涌谷周辺の
居住地域の近くまで影響を及ぼすとしています。
そのため、引き続き火口周辺警報の噴火警戒レベル3を
発表して、大涌谷からおおむね1キロの範囲では、
危険な地域に立ち入らない、また噴火に伴う
大きな噴石に警戒するなど、地元の自治体の
指示に従うように呼びかけています。
火山性地震などの発生回数は減少し、
落ち着いてきているようにも思われますが、
まだまだ噴火の可能性はあり、引き続きの
警戒が必要です。